ヨカッタ探し

ヨカッタ探し

February 18, 2007
XML
カテゴリ: 読書ろぐ

『殺し屋シュウ』 (幻冬舎文庫、2005)



日本人作家のミステリっぽい作品は、殆ど受け付けない相方が
珍しく買った作品。ちょっと前から本棚にあって、相方もなかなか
面白かったと言ってたんだけど、手が伸びなかった。
ちょうど著者が亡くなったばかりで、なんとなく手が伸びませんでした。
同じ理由で、最近は、鷺沢萌さんの作品も読めずにいます。
急にいなくなってしまった人が遺したモノを手に取るには、
心の整理のための時間が必要、な気がする。


せっかく手に取ったので、あれこれ考えずに読みました。
ある事情から、19歳で殺し屋となった”シュウ”。
でも、昼間は大学で助手(手取り22万!)をして地味な生活です。
そして、いざ仕事になると…。
一度使った銃はすぐに処分する、という高いプロ意識を持ってるくせに、
銃口を相手に押し当てるまでに、あれこれ悩んでしまう。
第1章~第7章まで、シュウが出会う事件が描かれていき、
そして、エピローグ。
シュウの職業が殺し屋でなければ、複雑な家庭に育った男性の、
思春期から青年期に至る、ごく普通の成長物語。
もしくは、原家族の崩壊に立会い、絶望に身をさらした青年が、

なのかもしれない。
エピローグは、あまりにも単純かもしれないけれど、
わたしは素直によかった、と思いました。

ただ、人物設定やセリフ、舞台…いちいちスタイリッシュで、
どこか映像を前提としているような気がしてしまうのは、

どこか頭で、この役は誰がやって、ここではどんな音楽が流れて…
そんなふうに考えられ、組み立てられた小説、のようにも思いました。
著者の晩年に描かれ、文庫化は亡くなった翌年、ということもあって、
解説は、作品そのものより作者の人生について多く触れています。
それを読むと、一つの優れた才能が、それを超えられなかった別の才能を
憎み、絶望した結果の死、なのではないか…と思って切なくなりました。

一流である、ということは厳しいですね。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  February 19, 2007 12:52:03 AM
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

プロフィール

しゃちべえ

しゃちべえ

コメント新着

しゃちべえ @ nanaco☆さんへ コメントくださっていたんですね!! 放…
nanaco☆ @ Re:7月の読書メーター(前半)(08/02) おはようございます♪ おぉっ、HN変更さ…
しゃちべえ @ イノさんへ わー、コメントありがとうございます☆ …
イノ@ 再開祝い 更新されなくなってからも、チョコチョコ…
anna2号 @ ごぅだいさんへ >annaさんお久しぶりです。ごぅだいです…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: