ヨカッタ探し

ヨカッタ探し

March 31, 2007
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カテゴリ: 読書ろぐ(mystery)
天藤真さんの『遠きに目ありて』を読んだら、
久々に仁木悦子さんの作品を読み返したくなりました。

仁木悦子  『猫は知っていた』 (講談社文庫、1986)

仁木さんはもともと別名で童話をたくさん発表してた方なんですが。
仁木悦子という筆名で、推理作品を書いたのは、これが初。
んで、この作品で江戸川乱歩賞を受賞して、一躍、時の人になりました。

かなり古い作品なので、読んでいると、言葉遣いだったり、
道具立てだったりが、かなりレトロな雰囲気ではあるのだけれど。

筆者と同じ名前の語り手・仁木悦子の活き活きとした言動と、
探偵役の兄・仁木雄太郎のゆったりとした包容力は、
現代でも十分魅力的だから、ではないかと思う。
主役の2人が好きだから、彼らの生きた時代を一緒に
味わえることを喜びに感じるわけ、です。

いろんな探偵パターンがあるとは思うけれど、
兄妹探偵、というパターンはけっこう珍しいのではないかな。
とにかくこの2人、何もかも正反対だけれど、仲が良い。
作者にもお兄さんがいて、帝大に通うお兄さんが、
病気で学校へ行けない作者の家庭教師役をかってでてくれた、
というエピソードをもってしても、仁木兄妹のような仲の良さが、

残念なことに、作者のお兄さんは第二次大戦に学徒出陣をし、
還らぬ人となってしまったのだけれど…。
それだけに、小太りの体でくるくると動き回る元気な悦子と、
飄々として、いつも温かな眼差しを妹に注ぎ続ける雄太郎は、
作者が創造した最高のコンビ、なのだろうな。


この作品では2人は学生なのだけれど、ともに大人になって、
それぞれに結婚し、子どもを持ってからの活躍を描いた短編も
いくつか発表されているはず。
とことん、作者に愛された2人なんだなぁ~と思います。





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最終更新日  April 3, 2007 01:36:28 AM
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