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2007年の読了本(8月)

2007年の読了本

*8月*
「カンブリア宮殿 村上龍×経済人 日経スペシャル RYU’S TALKING LIVE 」村上龍(著)テレビ東京報道局編(日本経済新聞出版社)(2007.8.1読了)
テレビ東京の番組「カンブリア宮殿」。作家の村上龍さんと小池栄子さんの司会で毎回、経営者を迎えてトークする番組。この番組の中から22人の方々の魅力をまとめた著書。世界に名だたる大企業からユニークな経営で知られる経営者までそれぞれの人間の魅力が番組と同様に引き出されている。私はこの番組が好きで大体、録画して見ているが、中には都合上見れなかった回もある。 このように本にしてくださると見逃したアノ人々の様子がわかりとても楽しい。最初、この「カンブリア」というネーミングに「なんじゃこりゃ?」「一体どういう番組?」とかなりな疑問を持ったものだが、村上龍さんが司会ということで何かわからぬまま変な期待をして見ていた。その期待は大きく当たり、毎回、楽しみになった。こうして活字になってみると、あ~あの時、あの人、こんなこと言ってたな~とかいろいろトークライブの様子がよみがえってくる。ただのイチ主婦にこんな「良い経営者」の本が役に立つのか?と思われるが、意外にも私はこういった、人がモノをつくり出す命の話などがすきなのだ。経営するわけでもなし、これから就職して何かを目指すでもないが、きっとこの経営者たちと村上龍さんの言葉のどれかは生きていくうえに何か思い出すかもしれないし、役立つかもしれない。畏まらずに気楽に手にとって読んでほしい一冊です。
「しずく」西加奈子(光文社)(2007.8.7読了)
西加奈子さん初の短編集だそうで。女同士の6つの物語。表題作「しずく」はフクさんとサチさんという二匹の猫の話で猫目線で話が進んでいくというちょっと変わった話。中々面白い。
「Alohaを見つけに」廣瀬裕子(ブロンズ新社)(2007.8.8読了)
DVD『Alohaのまほう』と同時発売となる書籍。ハワイはスピリチュアルな地だと思う。フラにしても自然にしてもどこか人の心にず~んと入ってきて浄化してくれるような。廣瀬さんの書を読むといつも優しい気持ちになる。言葉の一つ一つが癒しなんだろうと思う。悲しかった自分がいつの間にか前を向いて笑えるような・・・そんな感覚。ハワイに関する本はたくさん読んだし、観光ガイドもフラの本も楽しいけれど、それとは少し違う優しい感覚がして好きです。
「きみのためのバラ 」池澤夏樹(新潮社)(2007.8.10読了)
久しぶりの短編集は世界中のある場所で起こる出会いと別れの物語。ヘルシンキで、ミュンヘンで、メキシコで、バリで・・・1冊で世界中を旅している気分だ。
「ダーティ・ワーク」絲山秋子(集英社)(2007.8.11読了)
「ダーティ・ワーク」はストーンズのアルバムのタイトルだそうだ。きっとストーンズのファンならいろいろ面白いかもしれない。が、私はあまり知らないのだ。なので、ギタリストの熊井望を主にした連作短編集だったとしか感想が書けない。この小説に出てくる人たちは皆、誰かに思いを抱きながらも悶々と生きている。何となく暗い感じもするが、今の時代ってこんなもんだろう。 辛口だが、絶賛はしないがそこそこの面白さはあった。
「めぐらし屋」堀江敏幸(毎日新聞社)(2007.8.14読了)
父の遺品の中から「めぐらし屋」と題したノートを見つける蕗子さん。そして一本の電話。一体そこにはどんな秘密があるのだろう?ワクワクしながら読ませるストーリーはとても上手いと思う。知らなかった父の一面。明らかになっていくいろんなこと・・・記憶と人との出会いといろんなことが混ざり合っていく。自分は家族のことをどれだけ知っているだろうか?母が亡くなったときにやはり遺品の整理をしていて、親戚から昔の話を聞いて、全く自分の知らない顔があったことがわかった。人には自分だけしかごく身近な人しか知らない何か特別な顔を持っているものかもしれない。蕗子さんの不健康さが気になるが私的には好きな作品です。
「カクレカラクリ」森博嗣(メディアファクトリー)(2007.8.15読了)
廃墟マニアの郡司朋成と栗城洋輔は、同じ大学に通う真知花梨に招かれて鈴鳴村にやって来た。天才絡繰り師によって、120年後に作動するように仕掛けられた謎の絡繰りとは? コカ・コーラ120周年記念作品。カラクリよりもコーラを飲むところばかりがなぜか頭から離れない。コカ・コーラ120周年記念作品で映像化もされた作品だから仕方ないけど。こういうコラボも商品を売る手段としては仕方ないのかな。作品としては・・・シリーズものの方が森先生のよさが生かされていて面白いと思う。これはちょっとそのよさを押さえ気味・・・
「ひとくちの甘能」酒井順子(角川書店)(2007.8.19読了)
素晴らしい!甘能とはよく言ったものだ。ひとつひとつのお菓子の味わいを素晴らしい表現力で書き記している。甘い記憶こそが人生において生きる喜びなのだ!ビバ!甘いもの!いつも酒井さんのエッセイはクールで素晴らしいお言葉で感動させられる。そうなんだ。まさに甘能なのだ。あとは本編を読んで甘味をじっくりと味わってくれ~ちなみに私も「エクレア」派です。
「コヨーテ・ソング」伊藤比呂美(スイッチ・パブリッシング)(2007.8.23読了)
摩訶不思議かどうかはわからないが、コヨーテに出会おうと思ったお話。 何となく気分的にあえて詳しい感想は書けない。
「部屋にて」石田千(角川書店)(2007.8.26読了)
部屋という小さな空間でエッセイとも小説ともつかない24の物語を描いた本。息遣いの一つ一つが丁寧で、日常なのにとても洗礼された感じのする文章。イラストレーターの佐々木美穂さんの絵が文章にとてもあっていて、素晴らしいコラボレーションだと思います。


mitu n



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