200系ハイエースの基本

1967年に登場したハイエースは日本をはじめアジア、中近東、オセアニア、アフリカ、中南米など、世界130ヶ国で使用されるグローバルカー。
99年発売のレジアスエース(旧ビスタ店向けハイエース)とともに
その絶対的な信頼性、耐久性、実用性が国内外で高い評価を受けてきた。
累計販売台数は国内で216万台、世界全体では380万台という
大ベストセラー車だ。
15年振りのモデルチェンジ
2004年8月23日発売の新型ハイエースは5代目。
フルモデルチェンジは実に15年振りだから、先代はそうとうの
長寿モデルだったわけだ。

今回のモデルチェンジの主な目的は、15年間で大きく要求レベルが変わった衝突安全性やディーゼルエンジンの環境性能の向上だ。
前面衝突時の安全性については、フロント部を強化しながら
衝撃吸収構造を持たせ、さらにステアリングとブレーキペダルに
後退低減機構を与えてドライバーの損傷リスクを低減。
また、運転席エアバッグやABS(ブレーキアシスト付き)も全車に
標準装備し、助手席エアバッグも用意した。
一方、外観デザインなど、通常の新型車に比べて見た目の変化がほとんどない点も、逆にハイエースならではの特徴と言えるだろう。

新開発2.5ターボディーゼルを採用
エンジンは「自動車NOx・PM法」に適合する2.5リッター・インタークーラー付ターボディーゼルを新採用。先代末期はディーゼル車:ガソリン車の割合が4:6ほどに下がったというが、この新型ディーゼルの投入で5:5あたりまで盛り返せるのでは、とトヨタは予想する。

主な生産拠点はトヨタ車体のいなべ工場。
販売目標台数はシリーズ全体で4500台/月。
内訳はハイエース(ロング)が3150台/月、レジアスエース(ロング)が
950台/月、2005年1月から岐阜車体工業(株)で生産が始まる
スーパーロングが400台/月。

主力エンジンは2.5ディーゼルと2.0ガソリン
エンジンは2.5リッター・ターボ・ディーゼル(2KD-FTV)とガソリンの
直列4気筒2.0リッター(1TR-FE)。さらに、ボディが最も大きい「スーパーロング」用に、ガソリン直列4気筒2.7リッター(2TR-FE)を用意。

荷室の広さは圧倒的。「ハイエースってこんなに広かったっけ?」と思うほど、新型の荷室はだだっ広い。
ボディ上部の絞り込みが減って、ルーフ幅が先代より80ミリ増えたせいか。
A4コピー用紙箱なら12箱分(先代比約4.4%)多く積めるように
なったという。
ドライブフィールは、ディーゼルかガソリンかで大きく異なる。
発表時にチョイ乗りした2.5ディーゼルターボ(109ps、26.5kgm)は
アクセルを踏み込んだ瞬間、例のグォオオーンというディーゼルの音と
ともに力強く加速。「これぞハイエース!」と言いたくなるほど、
エンジンフィールは昔のハイエースそのもの。
一方、2.0ガソリンは少し線が細く、フル積載で高速道路の上り坂という
状況では少し辛いかも。エンジン音のボリューム自体は、ディーゼルと
どっこいどっこい。回さなくても走る分、騒音面ではディーゼルが
有利かもしれない。当然、燃料コストや燃費はディーゼルに分があるので、走行距離が多い人はディーゼルを選びたくなるだろう。

☆ここがイイ (σ・∀・)σYO!!
 5ナンバーサイズってこんなに広かったんだ、と改めて実感できる、
すさまじいまでの荷室の広さ。
さらに両側スライドドアの開口部が広がって、便利さが一層増した。
運転席の快適さ、居住性の良さを優先して中途半端な広さを売り物にする
ミニバンに慣れた目には、実に新鮮。
高速巡航フルスロットル走りもずいぶん平和で、ワインディングでも驚くほどの追従性をみせる操縦安定性の向上は、さすが15年ぶりのフルチェンジだけある。乗り心地も当たりが柔らかく、快適と言えるレベル。
また、変にノーズを伸ばさずにスタイリングと室内スペースをキープしたまま、衝突安全性を高めたのもフルチェンジゆえのメリットだろう。

☆ここがダメ (・A・)イクナイ!!

 助手席シートをいっぱいに下げると、後席エアコンの吹き出し部分がふくらんでおり、頭上のクリアランスがない。大柄な人はもちろんのこと、小柄な人でもヘルメットをかぶるとこれはちょっと厳しいだろう。
2.0リッター・ガソリンエンジンはどうにもトルク不足で魅力が薄い。
しかもその割にエンジンがうるさい。
アクセルベタ踏みにしないようにするための安全弁か?などと意地悪く考えてしまう。環境に優しくない、旧ハイエースの強力なディーゼルターボが懐かしい。といって、環境を考えなくてはならない「事業者」としては、ディーゼルを選ぶのは辛い。
いわゆるビジネスカーであるなら、サクシードにあるような物が置ける引き出しテーブルとか、書類を整理して置けるスペースとか、様々なビジネスユーティリティーをさらに工夫して欲しかった。
安い方のグレードにはサイドにパソコンを置けるセンターコンソールが
あるのだが、上級グレードではCDボックスになってしまう。
運転席でノートパソコンを開けるテーブル(これは弁当を食べるときにも重宝)とかは必需品だと思うのだが。そのあたりの進化がほとんど見られないのはなぜだろう。

総合評価
中古車雑誌の情報で最も引き合いが多いのは、実はハイエース。
程度のいい中古ハイエースは飛ぶように(それなりに高価で)売れている。昔からサーファー御用達だし、バイク系、マリン系、スカイ系レジャーではハイエースに勝るクルマはない。
日産ホーミー(キャラバン)やマツダのボンゴ、三菱デリカなどと比べても、その人気は圧倒的だ。巷に溢れるミニバンには出来ない芸当が打てる「ワンボックス」の代表車が、より現代的に「キープコンセプト」でリニューアルされたことは大きく評価したい。変にミニバンぽくならなかったのが何よりうれしいのだ。
積載性や車両サイズなど、必要な案件をクリアするには、これ以外の寸法はあり得ないという究極のパッケージングは、ほとんど伝統芸の領域。
ミニバンの室内が、なんと狭く見えることか。
当然ながら荷物優先で、乗員には限られたスペースしか与えられていないし、乗り込むのも一苦労だ。その高いアイポイントはまさにトラック。
ステアリングはあんまり寝ていないが、踏み降ろすようなペダル類、
スティックタイプのサイドブレーキなど、サイドウォークスルー可能の、今までどおりの乗車ができるのがこれまたうれしい。

ディーゼルターボがラインナップにあるのもいい。
ヒステリックにディーゼルを非難することは、RVのディーゼル車がここまで減ってきた現在、もういいでしょ、と言う感じだ。
ディーゼル車の全否定は、クルマに乗ること自体を全否定することにつながりそうでイヤな感じ。試乗車のガソリンエンジンは間違いなくトルク不足。ラインナップの2.5リッター・インタークーラーターボはNOx・PM法、平成15年排ガス規制適合。やっぱりワンボックスはディーゼルでなきゃ(とはいえ、早期にハイエース・ハイブリッドの導入を熱望!)

   ヾ(o゚ω゚o)ノ゙ プニプニ!プニプニ!




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