
細く長く続く急な石段。
昔ながらの建物の軒先にずらりとぶら下げられた、真っ赤なちょうちんの光。
赤くぼんやりと照らされる光景は、幻想的でノスタルジック。
この階段を下りているうちに、どこか遠い時代の遠い町にタイムスリップしたかのような気分になった。
・・・・・・。
というのは嘘。観光客だらけでした~!!
いまや台湾屈指の人気観光地、九分(←本当は、ニンベンに「分」と書く)です。
はい、われわれは夜に訪れました。
この町はもともと、戦前にゴールドラッシュにわき、金鉱の町として栄えたものの、
廃坑後は衰退の一途をたどったそうです。
それが1989年、「非情城市」という映画のロケ地となり、一躍有名になりました。
1945年、台湾は日本の支配から脱し、中国へ復帰します。
映画では、そんな激動の時代の中で、自由と解放を求め激しく美しく生きるリン一家を主人公に、
時代に翻弄される人々の愛と悲しみが描かれています。
私たちは台北からバスで行きました。所要時間は1時間程度。
台北のバス停は、太平洋そごうの向かい側にあります。

乗るバスは「金瓜石」行き。すぐわかります。
乗るときに運転手さんにガイドブックを開いて九分のページを見せたら、「きゅうじゅう」と言ってくれました。
なるほど90元ですね。料金は前払いです。
90元を渡すと、「九分」と書いたお箸くらいの長さの、細長いカードをくれました。これを目的地まで持って行けばいいのね。
そしてバスは出発。
土曜日の夕方だったせいか、観光客らしき人はほかにはおらず、乗客も数人。
台北から北部に向かうバスは、高速を越え、やがて人気のない山間を通り抜け、
どこか知らない町から町へと、くねくねと走っていきました。
途中、バス停で乗客が少しずつ降り、残されたのは私たちふたりと、1人の女性。
外は日も暮れ、だんだんと暗くなっていく・・・。
なんか心細いね? 大丈夫かな?
と友人と話していたら、もう一人の乗客の女性が、私たちの行き先を書いたカードを見て、
わざわざ運転手さんのところまで行って、私たちのことを進言してくれました(たぶん)。
「彼女達、九分で降りるから、よろしくね」と言ってくれたに違いありません。
シェイシェイ!!!
というのも、日本のバスのように「次は●●」というアナウンスなどがいっさいないので、どこで降りるものやらわからないんですよね。
台湾の人ってほんと親切!!
そうこうしているうちに、着きました。
バスではあんなに心細かったのに、九分にはいるわ、いるわの観光客。
日本人は少なくて、圧倒的に地元の台湾人か、中国人でした。
九分。
友人はとっても満足していたようですが、私はちょっと観光地化されすぎているところが、
いまいちだなあ、なんて思ってしまいました。
お土産やさんがやたら多いし。
でも、これがおいしかった!!

タロイモのぜんざいです。
あったかいのを選んだのですが(冷たいのもある)、ほんのり甘くて、もちっとしたタロイモが美味でしたよ。
あ、九分でおもしろかったのはこれ↓

観光客におかまいなく、車一台、通れるか通れない細い道を、
むりやりゴミ収集車が入り込んできたのですー!!
あわてて、道の端によける観光客。
車の荷台に立つ女性たちが、次々とお店の人からゴミ袋を受け取って集めてまわるんですよ。
危ないがな~~。 引かれそうになりましたよ(笑)。
でも、私はアジアのこういう無茶なところが大好きなんです。わはは。

海を見下ろす夜景がきれいでした。
九分にも、普通の市井の人々の暮らしがあります。観光地を抜けると、住宅街がありました。
その町並みは素敵でした。
今週末から1週間ほど出張に出るので、それまでに台湾を仕上げてしまうべくがんばってます!(笑)
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