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こころの宴(うたげ)。
虹の彼方に
雨はあがった。
まだ、虹は出ていない。
茶の間からは正午を知らせる「おもいっきりテレビ」のオープニングテーマが流れてきた。
どうやら母さんはそこにいるらしい。
おそらく堅焼きせんべいでもつまみながら、本当に効くかどうかわからない健康法の話題にフムフム頷いているのだろう。
久しぶりにタンスの奥から引っ張り出してきたローライズジーンズ。
今年のお気に入り、洗いざらしのホライズンブルーのTシャツ。
三年ぶりにバッサリ切った髪も、初夏の風に軽くなびいていく。
いつか雑誌見ながら話してた、アイツのいちばん嫌いな広末涼子みたいなショートカット。
鏡の前でニカッと笑ってみる。
少し痩せたかな?・・・でもおかげで欲しかったあの水着が着れるかも・・・。
あっ、腕の毛の処理・・・ま、いっか。誰も見てないよね、きっと・・・。
8×4をひと吹き。外は何だか暑くなりそうだし・・・。
昨日出された二次関数の宿題もまだ手をつけていない。
おまけに期末テストは来週の木曜日、大嫌いな世界史から始まる。
今日は創立記念日で高校はお休み。何しろ開校してから今年で22年目らしいけど、すごいねって言うよりも、早く改築しろって。
今日は今朝から妹の里沙と大喧嘩。
昨夜から始まったタッキ-のドラマをちょっと文句つけたら、すぐこれだもんね。
タッキ-のどこがいいってねぇ。
ま、坂口憲二さまの悪口を言ったらアタシも許さないけどさ。
ここ2週間、あたしはろくに寝ていない。
別に熱帯夜というわけではなく、父さんのいびきがうるさいからでもない。
原因はケイスケだ。
ケイスケとは、アタシの彼のこと。中3のときから付き合い始めて、もうすぐ2年になろうとしてる。
何でもアタシが合唱コンクールで指揮やったとき客席で見てて一目惚れしたんだってさ。
今田耕司にどこか似た横顔が少し気になったけど、
真剣に告白してくれたんだもん。
アタシも憧れてた先輩が卒業したばかりだったし、好きな人もいなかったから、付き合ってもいいかな?って思った。
ケイスケは優しかった。
両親が東北のすごい田舎の生まれらしく、時々、ヘンな福島弁を使っていたけど
それも聞きなれるとかなりおもしろくて、思わず吹き出してしまうこともしばしば。
陸上部の練習がアタシよりも早く終わった時は、辺りが暗くなっても校門の車止めに腰掛けて待っていてくれた。
帰る方向も、バス停の場所も正反対のくせに変な奴、と思ったりしたけど、本当はすごく嬉しかった。
一緒に「テルマ&ルイーズ」のリバイバル上映を観に行ったときも楽しかった。
あのラストシーン。アタシの横でポップコーンを食べる手が止まったと思ったら、
急に「グゥオッ!!」って変な呻き声をあげた。
もう可笑しくて可笑しくて、せっかくの衝撃的なラストシーンもどっかへ飛んでいっちゃった。
そうそう、いつかアイツの部屋に行った時、ステレオの後ろで何やらゴソゴソしてると思ったら、どうやら何枚かのCDを隠してるみたい。「見せてよ」って引っ張ったら、出てきたのは『加山雄三大全集』、『ベスト・オブ・吉田拓郎』、『高橋真梨子コンサート』・・・思わず笑顔がひきつっちゃったよ。
だって、アイツまだ17歳だよ。
そう、2年間、ほんとに楽しかった。本当だよ。
喧嘩もいっぱいしたけど、そのぶん、いっぱい仲直りしたし。
・・・でも、もうおしまい。
見ちゃったんだ、全部。
F組のユミコとの長いキス。
雨が降ってたから近道の路地裏を回っていったアタシは、柿坂の階段のところで抱き合っている二人にバッタリ会ってしまった。
本当は一瞬だったのかもしれない。
けど、アタシの瞳には10分、20分、いやそれ以上の時間、ふたりの唇がくっついていたように感じた。
その永遠の一秒に、アタシの頭の上に何滴の雨の雫が降ったのかわからないけど、
一瞬のうちにアタシのこころはそれ以上の土砂降りだよ。
その場からすぐ逃げ出したから、ケイスケはアタシに気づいていないと思うけど
今考えても、どうやって家まで帰ってきたのか覚えてないくらい動揺していた。
心臓のバクバクする音で、アイツにわかられるんじゃないかって思った。
実はショックっていうより、なんか不思議な気持ちだった。
自分の彼が他の女の子とキスしてる。
いつも自分がしてる光景を、もう一人の自分が見てるような感じ。
ふーん、あんな顔でケイスケはキスしてたんだ、って冷静に考えたり。
ほんとにショックだったのはそのあとだった。
友達はみんな知ってた。
ケイスケがユミコと隠れて逢ってるらしいって。
知らなかったのはいちばん近くにいたはずのアタシだけだったなんて、笑い話にもならないよ。
でも浮気じゃないって信じてる。
浮気じゃなくて、本気だったんだよね。
浮気はいつかアタシのところに戻ってくるものだけど、ケイスケはあたしよりもユミコを選ぶ、本気の恋だったんだ。
ユミコ、確かにかわいいもんね。
言われてみれば、アイツの好きな深田恭子っぽいところもあるし。
もしアタシが男だったら、絶対、ユミコにちょっかい出してると思うしさ。
本気の恋か・・・。
アタシの本気はずっとケイスケに伝わっていなかったんだね。
伝わってなかったんじゃなくて、アイツがそれを受け取ることを避けていただけかもしれないけど。
それでも好きだった。
笑い声も、唇も、薬指も、喉仏も、あばら骨も、アキレス腱も、足の爪も、照れると鼻先を掻くしぐさも、古着のTシャツも、無印の自転車も、何か考えてるときのボケ-ッとした横顔も、怪獣ブースカの人形も、鼻唄混じりのローリングストーンズも、安物のサングラスも、ギャツビーのコロンも、青いナイキのリストバンドも、止まらない貧乏ゆすりも、変な趣味のトランクスも、下手くそな筆記体の英文も、バス釣りのルアーも、浮き出た手の甲の血管も、いとこにもらった玉置浩二のサイン色紙も、じゃんけんでいつも最初にチョキを出す癖も、デイズ・オブ・サンダ-のセルビデオも、毛先が球の歯ブラシも、一度なくした宝物のシャーペンも、大きなピンクパンサーのぬいぐるみも、真夜中に「寝てる?」って電話してくることも、一度だけ見せたあの涙も、
そして、アイツと過ごした全部の時間と空間を愛してた。
「どこ行くの?」
母さんが茶の間から顔も出さないで聞いてきた。
アタシは玄関で買ったばかりのサンダルを履きながら答える。
「大事な用事」
「ふーん、頑張ってね」
娘の一大事に、親は全く我関せず、か。
開いたままの玄関のドアからは、初夏の透き通るような青空が見える。
そして、その中に美しいアーチを描く、虹の姿。
アタシは前を見て歩き出す。
『アイツにさよならって言うんだから』
真夏はこの街のすぐ近くまでやってきてる。
そう、きっと、やってきてる。
本当の恋が待ってる。
見上げた空、ひとすじの飛行機雲が、それを教えてくれたような気がした。
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