独り言 反 女権主義

独り言 反 女権主義

お勧めの本その2

危ない精神分析

危ない精神分析ーマインドハッカー達の詐術 矢幡洋 著)



題名だけ読むと男女やフェミニズムと何の関係があるか
わからないと思うが実は非常に良質なフェミニズム批判の本である。


この本はいわゆる「PTSD」の概念をとりまくフェミニズム運動に対して
批判的に言及している。「PTSD」というのは医学的で中立的な
用語というより、フェミニズム側のイデオロギーの入った極めて偏った
概念である。

自分も何故PTSDという概念がフェミニズム側の文脈に偏って使われるのか疑問に思っていたが(とくにDV法における文脈で使われる。「DVを受けた女性はPTSDで苦しんでいる」などである。何故かDVにおいて男性がPTSDと診断されることはない。PTSDとされるのはほとんど女性ばかりである。
しかし何のことはない、PTSDというのはアメリカのフェミニストハーマンが
女児に対しての性的虐待を「告発」するために広めた極めてフェミニズム的な用語だったのである。

そしてそのPTSDという概念(特にフェミニズムの文脈で使われる場合、)極めてそれが正当であるかどうかは疑わしい。そもそもこの本で言われているアメリカでのPTSD運動の流れを見ればわかるようにフェミカウンセラーはあらゆる患者をPTSDにしてしまうからだ。


PTSDというのは精神的後遺症のことで「死、重症を被るような出来事に直面し恐怖と無気力を体感した後に、その時の苦痛な記憶が執拗に浮かんできたり、不眠や過剰な警戒心が続いたりする」(引用)というものである。

しかし繰り返すがこれは医学的な用語ではなくフェミニズムによる自分たちの政治運動のための極めてイデオロギー的な言葉である。


このPTSDはラディカルフェミニストであり、医学者であるジョディスLハーマンが広めた。日本でも同様である。 「心的外傷と回復」という本はこのフェミニスト、ハーマンが書いたものである。

この「心的外傷と回復」は日本でもやたらと神格化されたようだがアメリカでは完全に悪質なインチキ本として現在は位置づけられている。最初はアメリカでも絶賛されフェミニスト達(というかハーマン自体過激なフェミニストなのだが)に礼賛された。しかし、1980年代後半から1990年代に渡って多くの人の実証とフェミニストたちとの戦いにより、いかにハーマンの説がトンデモであったか、少なくとも心理学会的にはフェミニズム側(ハーマンら)はこのPTSD論争において完全に負けたのである。

95年以降患者を「PTSD」と診断したフェミセラピスト側が逆に敗訴し、多額の賠償金を払うような裁判がどんどんでてきた。

だから日本でもフェミニスト達は以前ほどPTSD、PTSD言わなくなったのかもしれない。旗色が悪いからである。少なくともアメリカでは裁判で負け、心理学会もこれらが間違っているという結論がでている。(結論がでているといっても政治の延長上の問題であり、本当にフェミニズム側の脅しや中傷に耐え闘ってきた人達の成果なのであるが。)


まあともかく「PTSD」というのはフェミニズム語だということである。




このお勧め本の紹介に戻るが、この本のメインはアメリカのラディカルフェミニスト、ジョディスLハーマン(そしてその代表作である「心的外傷と回復」)についての批判、またはアメリカでの批判の流れである。読んで絶対に損をしない本だと思う。

この本の書評では精神分析においての意見が多いがはっきりいってこの本の価値は矢幡氏がどのように精神分析を考えているかではなく、アメリカでフェミニズム運動がどのような行動をとってきたかという「事実」の記載であり、心理学内での政治運動のながれについて詳しく書かれていることである。

精神分析に興味が無くてもフェミニズム問題に関心があるならば読んで損することは絶対にないです。そもそもフェミニズムがどのようにある分野で勢力を伸ばすやり口がわかると思います。そしてその運動にどのような特徴があるのかも。「冤罪」が多発するのも特徴かもしれない。



日本のフェミニストやフェミカウンセラーもまずハーマンの影響は受けているのでかなり役に立つと思います。この本がよくフェミ国家である日本で出版されたと思う。ちなみに出版されたのは2003です。図書館にもあるのではないかと思う。

おそらく題名がわかりにくいのでフェミニズム批判する人も多くが読んでいないと思うがもったいない。日本にある数少ないフェミニズム批判本のうちの一つであり、かなり中身が濃い。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: