これは実現性のある数字だ。米労働省が2003年に3300万組の共働き夫婦について調べたところ、25.2%の妻は夫より収入が多かった( “Women in the Labor Force: A Databook”66ページ参照(PDF))。筆者は現在、子供を持つ米国人夫婦に家事育児分担についてインタビューしているが、特に意識しなくても「家計を支える妻と専業主夫」というカップルにしばしば出会う
自殺、労災、病気…。差別されているのは男性、との意見も
日本に比べて、男性の選択肢が増えてきた米国。そのためか、既存の男女観に疑問を投げかける声も多い。『The Myth of Male Power』(Warren Farrell著、Simon &Schuster、1993年)は様々な数値や事例を挙げ、「男性が女性を抑圧している」という常識に対抗する。例えば兵役に就く人の圧倒的多数は男性だ。米国で男性政治家は、過去に兵役に就いていたかどうかが問われる機会が多い。イエスと回答することは、国家への忠誠心を計る尺度と見なされるためだ。一方、女性政治家が兵役経験について問われることはない。