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2005.08.24
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とうとう読みたかったところまで到達した。”ススキノ探偵シリーズ”の第4作(長編では第3作)で,話題の作品だ。

○ストーリー
主人公の”俺”は,仲介したぽわんとした美女女教師への下心もあったが,中学生の少年と知り合いになる。なかなか気骨があり,少し気持ちが通じた少年と主人公だったが,少年は友人の殺人事件と共に行方不明になる。必死に少年を探す主人公の前に現れる様々な協力者,だがその中に間違いなく,殺人事件の犯人はいるのだった。
”俺”は手遅れになる前に,少年を探し出すことができるのだろうか?

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”スペンサーシリーズ”の「初秋」が名作とされているように,ハードボイルド物の隠れた味は,後輩や弱者への救済や指導だ。そうした意味で,この作品は,よくよくツボを押さえているし,一方で,少年の方がさほど”俺”を信用していないあたりが,現実的なギャップとして見えてきており,いろんなレベルで楽しめる。

”大人を諦めている”少年との和解は,残念ながら主人公ではなく,父親の方に軍配が上がったようだが,それでも一方通行ながら主人公とその友人たちのお人よし具合が,一介の中学生探しへ必死になる状況からうかがえており,「それはそれでいいのかな」と思わせる。

主人公の独白でもあったが,「ここで諦めたら俺はダメになる」という気骨がはっきりと表れ,それが事件の解決に直結した作品だ。これまで事件の決着と,主人公の行動が必ずしもマッチしていなかったこのシリーズとしては,確かに転換となる作品なのだと思う。

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ただし,このグループが街のチンピラをコントロールできた,という説明は,あまり納得出来ない。ちょっとそれは毛色とか,力関係が違うような気がする。

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これまでこのシリーズなりに孤高で生きてきた主人公の”俺”だが,この作品でだいぶ知り合いに頼るようになる。

大きく関係が進展したのは,これまでバカにしてきたヤクザの桐原との付き合いだ。今回は人海戦術を要するために桐原を頼り,かなり真剣にケンカをしつつ,最後には絆を深めている。

新しいキャラクターは,これまで出てこないのがフシギだった警察の所属者だ。ちっとも食えない,愛想の悪い種谷がそれで,ずーっといがみ合いつつも,最後に死線を共にするあたりから,なかなか味のある”美しい友情”が生まれているのが伝わってくる。

完成度の高さだけでなく,「シリーズとしてやっていけそう」という感触がイロイロ伝わってくるこの作品,全体的な文体の軽いリズムもあって,間違いなく楽しめる一品だ。








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Last updated  2005.08.24 23:21:53
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