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2005.11.07
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カテゴリ: びしびし本格推理
初期3部作の分厚い最終巻を読んだ。

○ストーリー
夏休みの事件の影響で人間不信になってしまったマリアは,山奥の芸術家村にこもってしまった。マリアの両親に頼まれて説得のために村へ向かったアリスたち4人組は,大雨のため芸術家村と隣村に分かたれてしまう。そこでそれぞれの村で殺人事件が起きる。アリスとマリアは犯人の”悪魔”を見破ることができるのか?

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文庫本で700ページもある分厚い本だけど,驚くくらい速く読める。文章のうまさと情景の美しさもあるけれど,語り手がアリスとマリアで交互に入れ替わるという点も大きいと思う。

初期3部作の特徴である,リリックな青春小説というカラーは大いに健在だ。アリスとマリアの距離が縮まるどころか,ずーーっとすれ違いが続くのにはイライラさせられるが,それぞれが自分の気持ちを確認しているような部分があって,展開としては悪くない。

また事件が2つの村で同時発生という形式を取ったので,”推理研究会”の4人組がそれぞれ活躍の場を与えられた。これまで脇役扱いだった3年生コンビががぜん光っているのも面白い展開だ。

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推理小説としても,おどろおどろしい展開の芸術村での事件と,知的なパズルの隣村の事件とで,2つに分かれたカラーを楽しめる。また前述したとおり二手に分かれた”推理研究会”メンバーの解決を目指したディスカッションが展開されるので,さまざまなアイディアが出てきては,事件を論理的に整理してくれるのが助かる。



クリスティのいくつかの作品のように,精神的に歪みきった人物なのかな,と思ったけれど,有栖川有栖の人物造形はやはり優しいカンジだった。

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”江神二郎探偵”の初期3部作もこれで読み終えてしまった。一時期は5部作という構想もあったらしいけど,長い間3作で止まっているので,もうこのシリーズは読めないような気もする。作家として経験を重ねてしまった有栖川には,ひょっとしたらもうこの情感にあふれたシリーズは書けないのかも知れない。

残念だけど,それだけ貴重な3作品ってことなんだと思う。







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Last updated  2005.11.07 19:38:01
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