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2006.03.25
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”ススキノ探偵”シリーズの東直己が高三の男の子を主人公にしたハードボイルド小説だ。受験生を主人公にしたハードボイルドという珍しい作品になっている。

○ストーリー
省吾は受験生だが毎日のようにススキノで飲み歩いている。省吾にとって高校生活も,北大の受験もそれほど面白みのないルーチンワークだ。10才年上の彼女もいる省吾に,同級生の金井という女子が声をかけてくる。なぜか覚醒剤所有で補導されている別の同級生の事件を一緒に解こうというのだ。
ススキノや大人の世界を横から眺め,笑っていた省吾だが,自分で動き出すことでその奥行き,怖さが分かってくる。省吾は,ヤクザや,サイコな女子高生に対して,太った”便利屋”や彼女・真麻に助けられながら,真実に迫っていく。

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”ススキノ探偵””殺人マシーン・榊原””探偵・畝原”と,東直己のメインシリーズの主人公はみんな中年のオヤヂだ。この作品では一気に主人公の年令を30才近く若返らせて,受験生にしてみせた。意外な設定ではあるけど,正直落ち着きのあり過ぎる中年より,自信と不安を行ったり来たりするティーンの方が主人公として面白い。

省吾は頭の回転はいいが,確かに経験不足で生意気だ。チーマーにもケンカで負けて落ち込んでしまう。でも盛り場では,どこかビクついている気持ちも持っているのは,一般人としてはフツーだから,省吾の気持ちは良く分かる。だからいろいろ欠点はあって,シリーズモノの主人公にはなれそうにもないウツワなんだけど,僕は省吾はなかなか気に入った。

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ストーリーは,”ススキノ探偵”パターン,というか伝統的なハードボイルドパターンで進む。主人公は,ある事件を解こうとして,あちらこちらを揺さぶるが,敵を作るばかりで謎は解けない,が,最後にぱたぱたと全ての謎が説明される,ってヤツ。



まあ,そこの都合よく,謎の”便利屋”が出てきて,事件が進展し,”彼女”によって全ての謎が解き明かされる,という趣向だ。しっかし,その真相には驚いた。ずーっと「ハードボイルド入門」みたいに進んでいたのに,最後の最後に東直己ではかつてないノワール世界での解決が用意されていた。

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「悲鳴」では前田カスミという悪質クレーマーが登場したが,この作品では柏木というビョーキ系の女子高生が登場する。他人への悪意のカタマリという女性像が,東直己の中でなんか重要性が出ているらしい。うーむ,ここまでの人が周りにいたことがないので,イマイチ実感が湧かないなあ。

主人公の若さ,ノワールな解決,という点で,ちょっと懐かしの「池袋ウエストゲートパーク」の「電子の星」を思い出した。







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Last updated  2006.03.25 19:18:27
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