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2006.04.16
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大人気作家・田中芳樹がミステリーランドに作品を書き下ろした。

○ストーリー
19世紀初めのパリ,新大陸のカナダから祖父を訪ねてきた少女コリンヌは,自分の身の証を立てるために,ライン河畔の塔に囚われているというナポレオンの生死を確かめに旅に発つ。コリンヌの仲間は,自称大作家のアレクサンドル・デュマ,酔いどれ剣豪のモントラシェ,拳銃使いの謎の紳士ラフィットだ。夜のパリ,街道沿いの宿屋,ドイツの古城を越え,4人がたどり着いた真実とは?

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田中芳樹には固定ファンがいて,田中作品なら全て読むという人も多いらしい。が,この作品,一大叙事詩や,シニカルでクールなキャラクターを期待していた田中ファンには,「子どもっぽい」「字が少ない」「どっかで読んだようだ」とあまり評判が良くないらしい。

僕としては,これをあくまでもミステリーランド・シリーズの一環としてとらえている。講談社側の出している(と思われる)前提条件の,1)ジュブナイル作品,2)ミステリー,3)子どもが主人公,4)書き下ろし独立作品,の中で,それぞれの作者がどういう工夫をしているか,という点も楽しみながら読んでいる。

「ラインの虜囚」は,田中芳樹の”少年少女向け冒険小説”へのオマージュ全開の作品となっている。上記の勝手に想像している,2)ミステリーの部分はかなり色が薄いが,そういうことを全部忘れさせてくれるぐらい単純に楽しめる。各章のタイトルが内容説明になっているところとか,装丁と挿絵に鶴田謙二を起用しているあたりが,分かってるなあ!くうーっ!というカンジだ。

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冒険小説としては,主人公コリンヌの成長が描かれないのが不満だ。まあ,この作品は現代冒険小説ではなく,古き良き冒険譚を目指しているようなので,主人公の内面ではなく,主人公たちの危機一髪の冒険を楽しめばいいんだろうけどね。



この作品の本当の主人公は,こうした古き良き時代の匂いなのかも知れない。

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作品のラストは,主人公たち4人の後日談となっている。これにどれだけ真実が入っているのは,僕には分からないけど,それを想像するだけでも楽しい。

ミステリー色の薄いミステリーランド作品だけど,それを補って十分などきどきわくわくは詰まっている。少年のときに読みたかったよなあ,これ。






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Last updated  2006.04.16 13:28:59
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