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2006.11.18
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いかにも西澤保彦らしい,対話とロジックによって事件を解き明かしていく,という作品だ。

○ストーリー
祖母の葬式の帰郷に合わせて友人の結婚式に出席したおれは,小学生時代の友人たちと語り明かす。小学校の担任が夏休みに殺された,という事件,それを語り合ううちに,明らかになる事態とは?なぜそれぞれの記憶が食い違うのか?長い夜が始まる。

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故郷に戻って,昔に起きた事件と自分の過去に向き合う,というエッセンスだけならば,「黄金色の祈り」と「異邦人」と同じパターンの作品だと言える。同じように,自分のかつてのおぞましさと対峙するわけだが,作品発表順に主人公が悩む度合いは減っている。

この作品の主人公は,かつていじめた友人に対して「すまない」という気持ちは抱くが,一方で,「今更突然謝るのも,こちらだけの事情で,向こうは戸惑うばかりだ」と判断をする。ここら辺の展開が現実的だし,なんだか肩の力が抜けているカンジで,読んでいてお気楽だ。

リアルな作品だと言って,毎回主人公たちにとって人生の選択ポイントを舞台にする必要はないので,このように日常の一瞬を切り取る作品でいいと思う。なんだか西澤作品,ちょっと精神的にツライのが多いので。

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ミステリーとしては,「記憶なんてあてにならない」と最初に公言しつつ,ほとんどそれだけを頼りに進んでいく作品なので,必然的に何回も大きく展開が変わる。これはフェアだとは思うけど,記憶のあいまいさについての,各読者の考え方で,評価が大きく変わるのだと思う。



読み進んで,最後に事件の真相に至った時は,なかなかカタルシスと言うか,スッキリした。登場人物ほぼ全員の記憶がいい加減,というのは差し引いておいて,いちおーナットクの行く説明となったし。

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最初に書いた,罪悪感へのあっさり感にもやや意外だと感じたけど,一緒に事件を解いた幼馴染みへの淡白な態度にも,ややガッカリした。この数年ぶりの出会いは,双方にとっていい機会だった,というカンジなのになあ。もうちょっと盛り上がってもいいと思った。

なんとなく,この作品の存在感の無さが,理解できたなあ。







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Last updated  2006.11.19 18:42:10
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