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2007.01.23
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西澤保彦のダークミステリを読んだ。

○ストーリー
定年退職をし,妻にも先立たれ,たった1人で暮らす良弘は,葬式へと列席する毎日を過ごしていた。彼には黒いストッキングの女性の脚への強い執着があり,葬式に参列し,好みの脚を盗撮していたのだった。ある時,良弘は,妖しい美しさをたたえた美少年が,変死をした葬式に姿を現すことに気付いた。良弘がその少年と接触した時・・・

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黒タイツ,女装など分かりやすいフェチズムの他に,他人に食事を作りたがる,他人との接触を嫌う,などパラノイアと言った方が近い症状が描かれる。そしてクルミという美少年と,それぞれの登場人物が出会ったことにより,そのフェチズムが暴走し,全ての人々が不幸になる。

基本はミステリの形式なのだけど,最後に何かが解明されるわけでもないので,ホラーないし,乾いた純文学とも読み取れる。例えば「聯愁殺(れんしゅうさつ)」には重要なミッシングリンクがあり,「黄金色の祈り」には,原罪への痛恨があった。

だが,この作品には,事件の連続があり,登場人物たちは(1名を除き)ちょっとした心の迷いが原因で,悲惨な結末を迎える。寒々とした読後感を与える小説だ。

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後味が悪い原因の1つに,登場人物たちの一風変わった嗜好が,ややコミカルに描かれ,最終的にはそれがきっかけとして,不幸になってしまう,ということが挙げられる。フェミニズムを全面的に擁護していた西澤保彦が,それ以外の嗜好に対しては,かなり冷たく突き放した描き方をしているのに鼻白んでしまった。









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Last updated  2007.01.24 00:10:11
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