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2007.07.03
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「義八郎商店街」が不思議な結末だったので,少し不安を抱きながら,この作品を手に取った。

○ストーリー
池田は,東京に出て,プロスポーツ選手になる夢に破れ,惰性のまま故郷の母校で教師を務めていた。ある日,教え子が拉致され,池田は彼女を探す手伝いをする羽目になる。池田たちを助けるジャーナリストは信用できるのか?そして事件の背後にいる謎の宗教団体とは?

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ストレートな冒険小説で,安心して読める。日本の事なかれ主義,地域格差などへの皮肉,愚かさから犯罪や宗教に手を染めてしまう人々への批判も盛り込んであり,読み終えてみればしっかりと東直己ジルシの作品だ。

ただしよく書かれているように,北海道を舞台にしていない,シリーズキャラクターが登場しない,地方公共団体の汚職を描いていない,など,表面的な部分では東直己らしくない作品だ。よく読み込むと以前の作品へのゆるいリンクが設定されているので,大きな枠では「探偵・畝原シリーズ」と関連があるらしい。

「東直己作品はシリーズモノを読んどけ」という雰囲気があり,独立作品の出来は今ひとつ,というのが定評だ。一方でシリーズモノは,登場人物が多いので一作だけ読んでも分かりにくい,という欠点がある。その中で,東直己入門として,この作品はオススメできると思う。小説としてまとまりがあるし。

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事件を追うことになる4人組の設定が変わっている。主人公のやる気のない高校教師,彼を助ける謎のジャーナリスト,主人公の教え子で恋人の女子高生,拉致された少女の彼氏の不良少年,と,珍しい組み合わせだ。



教師を辞めようと思っていた主人公が,段々教師という職業に魅力を感じてきたり,すぐ怒ってばかりだった少年が,きちんと自分の言葉で会話できるようになったり,と物語の進行と,主人公たちの成長がリンクしているのも,読んでいて気持ちがいい。

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「英雄先生」のタイトルの意味と,何故舞台が島根なのかは,最後の最後に明らかになる。楽しめる作品だ。






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Last updated  2007.07.08 18:45:49
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