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2008.01.26
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狂気の作家・竹本健治が,思う存分に狂気を吐露した作品を読んだ。

○ストーリー
主人公の矢木沢は,ある時から一定の条件を備えた地下道で,日本の神話をモチーフとした幻覚を見るようになってしまう。彼は,心理学者の天野,影のある女子高生・岬に助けられ,幻覚の原因を探ろうとする。いくつかの可能性が見えてきたとき,矢木沢の幻覚は,現実を侵食し始めてしまう。彼らは,これを止めようとするのだが・・・

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決して分厚い本ではないのだが,やや持て余してしまった。主人公が,ウツ,ノイローゼ,統合失調症となっていく過程が,あまりにリアルなので正直読んでいて不気味な気分だった。なんと言うか,作者と一緒に狂気の世界に引き込まれるような感覚がするのだ。まあ,過程を文章で描写できるということは,健全な証拠なのだろう・・・だよね?

どん底状態の主人公を支えてくれるのが,”ルイトモ3部作”の「緑衣の牙」に登場したメガネの委員長タイプ・真壁岬だ。”ゲーム3部作”以来,消息の知れなかった心理学者の天野も登場するが,登場シーンは少ない。岬は,ほとんど全編に登場し,大活躍をする。

岬がどうしてここまでしてくれるのか,という理由付けは物語で語られるが,やや動機としては不自然だ。とにかく彼女の存在を,作者が必要としていたのだろう。

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主人公の幻覚症状の原因として,日本人の精神に組み込まれた謎,というのが,この物語の壮大な謎解きとなっている。神話や言語の比較,文化や稲作の伝承,遺伝子の分析までが語られ,トンデモ学説まで含めて,縦横無尽に日本人論が語られる。



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苦言を言えば,光瀬龍や半村良など日本SFの大御所によって,この作品ぐらいの内容は20年以上前に描かれている,という事実がある。

竹本健治のファンとしては,作者のリハビリを素直に喜ぶべきだろう。正気の世界へお帰りなさい。










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Last updated  2008.01.27 14:25:55
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