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2010.06.03
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辻村深月の学校の怪談物語を読んだ。

○ストーリー
幼なじみのキョウスケが病気がちなため,ずっと面倒見役だった”俺”シンジも,いつの間にかクラスで除け者にされ始めてしまった。それを打開するために,シンジが始めたのは,架空の友だち”ユウちゃん”の自慢だった。だがそのウソも徐々にバレ,イジメが露骨になり始めた頃,シンジを助けてくれた少年は??

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ホラー,ミステリー,ファンタジーと揃っている。それにより純粋にホラーなのか?最後に現実的な謎解きがされるのか?と不安になりながら読み進めることとなった。

結末がどっちに転ぶか分らない,というのも不安なもので,ある意味,通常のホラーよりもドキドキさせられたかも知れない。

まあ,イライラもさせられるので,手放しでは喜べないんだけど。

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学校の怪談系の物語なので,主人公が小学生であることが多い。小学校までは,学校のクラスだけが社会の基準という傾向が強いので,クラスメートとの比較,その中でどう思われているか,が重要というのも良く理解できる。



同じテーマを描きつつ,2つの作品の結末がまったく反対というのは恐ろしいとも思う。

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とは言え,これまでの辻村深月作品が,意図的に同じ世界観を共有していたことと比べると,独立した短編集であることも手伝い,辻村作品らしさが薄いと感じてしまう。

うまい短編を書くことが一番難しいと言われているが,確かにそうだと再確認をしてしまう作品集だった。

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それぞれの短編について簡単に述べる。
「踊り場の花子」:懸命に階段を掃除していたサユリが,死体で発見された。それから2ヵ月後,誰もいない校舎で彼女の死の真相をさぐるゲームが始まる。・・・いきなり怖い作品なのだけど,ところどころあざとい表現があったり,展開が遅かったりして,少し醒めてしまう。

「ブランコをこぐ足」:校庭のブランコをこいで,そして落ちてしまった5年生の少女。彼女の死をめぐる物語とは?・・・ひじょうに恩田陸作品を連想させられる構成となっている。結末はなんだか平凡で悲しい。

「おとうさん、したいがあるよ」:痴呆が進み始めた祖父母の家を片付け始めた女子大生のつづじ。だが家のあちこちから出てきたのは?・・・シュールでつじつまの合わない部分が多いので,混乱させられる作品だ。けれども気になる肌触りがあって,個人的には一番印象に残った。

「ふちなしのかがみ」:ふちなしのカガミの向こうにあなたの未来が映る。香奈子がそこに見てしまったものとは?・・・あるところで先が読めてしまって,そこから次が予想されてしまう。けれどもやはり事件は止まらない。でもだから?というところ。

「八月の天変地異」:僕とキョウスケを助けてくれたのは,存在しないはずの親友・ゆうちゃんだった。・・・ラストにこの作品が来ると,他の欠点もゆるせてしまう。まるで「ドラえもん」の名作みたいな作品だ。






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Last updated  2010.06.04 00:06:07
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