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2010.07.27
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カテゴリ: びしびし本格推理
米澤穂信の大人向けミステリーを読んだ。

○ストーリー
都会で挫折し故郷の田舎で調査事務所を開いた紺屋は,失踪した若い女性の調査,神社の古文書の解読,さらに町に出没している野犬対策のパトロールを依頼される。調査を進めるうちに,紺屋はこれが大きな一つの事件を形作っていることに気付く。最後の悲劇を止めるため,彼は山の中に踏み込むが・・・

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物語は紺屋が故郷に戻って調査事務所を開くところから始まる。少し彼の過去が語られ,陰鬱な物語になるかと心配したが,事務所を手伝う後輩で能天気なハンペー,事務所の近くで喫茶店を営んでいる紺屋の妹・梓の夫婦など,まっすぐなサポート役が周りにいるので,明るい空気の展開で安心して読めた。

描写されている景色はかなりな田舎なのだし,事務所は紺屋の友人のおかげで小さな仕事が複数舞い込むなど,人間関係の密接さを予測させるのだが,いざ調査を始めるとそこそこ人々がさめている。田舎というより地方都市なのだろうか?このあたりの感覚がちょっとつかめないまま終わってしまった。

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紺屋の事務所は本来は「犬捜し」が専門で,それがこの作品のタイトル「犬はどこだ」の由来になっている。だがある程度の都会ならいざ知らず,町と町が田んぼや山で区切られているような地方で「犬捜し」で生計が立てられるとは思えない。とすると,主人公の紺屋は本来,リハビリや暇つぶし,あるいは冗談で事務所を開設したのに,期せずして事件に遭遇したという設定なのだと思う。

彼は「自分は犬については詳しい」といったことを述べているが,特に犬好きで育ったというワケではなさそうだ。大学時代はアパート住まい,社会人経験は2年間なのでおそらく寮住まいと考えると,どこからその自信が出てくるのか疑問だ。なんらか語られなかった過去のエピソードがあったのかも知れないが,これも冗談だったような気がする。



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当初はバラバラだと思われていた複数の依頼が,後半につながり始める時はなかなか盛り上がる。主人公がそれに気付くのは,ネット仲間の〈GEN〉という人物のおかげなのだが,このチャットでしか登場しない〈GEN〉がやたらと優秀で,この人がいなかったら事件の解決は無かったと思われる。

田舎の事件のハズなのに,急にネット世界の話になり,さらにその頃起きた事件について詳しい人物まで登場する。このあたりはやたらと急展開だ。

主人公が夜の山に踏み込むラストは象徴的だ。夜は人の心の闇を,山は隠された攻撃性を表しているかのようだ。不気味な恐怖をたたえたままのラストはなかなか印象的だった。





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Last updated  2010.07.28 16:17:30
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