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2010.08.28
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カテゴリ: びしびし本格推理
米澤穂信の「古典部シリーズ」の第2作を読んだ。

○ストーリー
文化祭に上映するミステリー映画が,脚本家が倒れたために意図されていた結末が分らなくなった。古典部のホータローは,失われた解決編を推測するために,関係者から話を聴く。だがホータローが提示した結末には・・・

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作者のデビュー作「氷菓」から始まる「古典部シリーズ」の第2作目だ。主人公のホータローは,自分では省エネ生活を送ろうと思っているが,周りからは推理の能力があるとみなされている。そんなホータローがどうしてミステリーを解決へと導く探偵役を買って出たか,というのも,この作品の見所の1つになっている。

メインとなるキャラクターは古典部の4人だ。リーダー役で正義感の強いマヤカ,情報収集に長けたサトシ,直感の優れたお嬢様のエル,そして主人公で名探偵(?)のホータロー。

今回は彼ら1年生が,2年生たちが直面している問題を解決する,という物語だ。良いことだとは思わないが,学生社会においては学年が1つ違うだけで軽んじようとするメンタリティが働くものだが,ここでは”女帝”と呼ばれる2年生で強い調停能力を持ったキャラクターが登場することで,それが払拭され,1年生の主人公たちは謎解きに専念できるようになっている。

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消極的な名探偵というのは,同じ米澤穂信の「春季限定いちごタルト」と同じなので,今回はそれほど違和感が無かった。でも,これってリアリティかと問われると,そんなことは無いような気がする。



だが一方で,マヤカ,エル,ホータローという主人公たちの名前,同人誌マンガのような表紙と口絵(オリジナル版),状況をあつらえてしまう”女帝”&”姉”・・・と,イロイロな部分でこの作品もリアリティを放棄しているように思える。

それなのにホータローが探偵役を務めることに対してだけは,不自然に回避しようとする。それがリアリティ?・・ちょっと作者の詭弁にような気がする。

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リアリティの問題はさておき,ミステリーとしてはなかなか面白い設定がされていると思う。

映画の中の事件,というフィクションを利用して,高校生活の中に殺人事件を持ち込んでいる。

”女帝”という強いキャラクターを利用して,探偵役を高校のクラスの中に成立させている。

また,言わずと知れた古典部の面々を利用して,主人公が備えるべき資質の「正義」「知識」「直感」を体現させている。

ここまで設定に凝らないと本格ミステリーは成立しないものなのだろうか?個人的には,もっと軽く楽しめればいいと思っているが,マジメ気質の日本人としては,こうした枠組みが重要なのだろう。

成立させてから先のミステリー談義や,ホームズ談義は楽しいと思うが,もっと突き抜けていてもいいと思う。

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「古典部シリーズ」の人気の高さもよく理解できたが,一方で「小市民シリーズ」との設定の重複が気になった。2つしかないシリーズがバッティングしているって,ちょっと問題だろう?













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Last updated  2010.08.28 21:11:38
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