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2010.10.14
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カテゴリ: びしびし本格推理
米澤穂信の〈古典部シリーズ〉の短編集を読んだ。

○ストーリー
ホータローは,〈古典部〉のお嬢様・エルが”生き雛”として出場する雛祭りの祭事を手伝うことにする。いつもと違うエルの姿に緊張をするホータローだが,何者かの妨害で,祭りは開催を危ぶまれる。エルとホータローは,その謎を解き明かそうとするのだが・・・

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常々,このシリーズの主人公・ホータローの自意識過剰と横柄さが気になっていたが,短編集だと,さらにそれが鼻に付くということが分った。

短編ごとに,「自分のモットーは・・・」とかとうとうと語られると,歌舞伎役者か戦国武者かとカンチガイしてしまう。レッテルを貼りたがる人って,それで固定化を図っているのだから,実際はそうなれていない自分を告白しているようなものだ。

そうして考えると,キチンとそのギャップを認識して,なんとか対応しようとしている〈小市民シリーズ〉の主人公2人の方が,よほどマトモな人に思える。クセはあるけど。

また,千反田エルに対する言葉遣いと態度の悪さは,どう考えても度を越していると思う。エルが育ちが良くて,天然キャラという,ライトノベル丸出しの設定だからゆるされているけど,フツーは絶交されていると思う。

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短編集である「遠まわりする雛」は,第1作から第3作の時間の流れの,いろんな場面を切り取って短編に仕上げてある。時間軸によって,状況を楽しむには,やはり,シリーズを読んでおくべきだと思う。

長編からのゲストキャラクターも多いし。

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〈古典部〉には,主人公のホータロー以外に,エル,マヤカ,サトシの計4人の1年生ばかりが所属している。ホータローはともかく,残りの3人は,そこそこ素直な性格かと思っていたら,ある短編でマヤカとサトシの性格がだいぶ屈折していることが判明。

「事態を複雑にしないため」という言い訳で,エルに対してウソをつくホータローの姿もあり,〈古典部〉ってイヤなヤツばかりだなあ,という印象が強くなってしまった。

この短編集への評価がキツイのは,そうした理由もあるのかも知れない。

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各編について簡単に述べる。

「やるべきことなら手短に」:神山高校にもあった〈学園の七不思議〉。なんとホータローはその解明に乗り出す。・・・いきなりモットーが短編の題名って,くどいなあ。さらに謎解きの際に,平気でエルをだますホータロー・・・腹黒いのか?

「大罪を犯す」:ベテランの数学教師は,なぜ突然怒り出したのか?・・・まさに日常のミステリー。だが謎解きは,とてつもなくショボイ。

「正体見たり」:夏休みの合宿にマヤカの親戚が経営する旅館にやってきた〈古典部〉。ホータローが湯あたりになった夜,旅館の開かずの間に,存在しないはずの人影が映った。果たしてこれは?・・・部活青春モノの定番の夏合宿で,オーソドックスだけど,舞台が変わるとやはり楽しい。ちゃんとホータローがある人のことを気遣っているのも良いポイントだ。



「あきましておめでとう」:マヤカがバイトをしている神社に,陣中見舞いと初詣に向かったエルとホータローは,せっかちな人に納屋に閉じ込められてしまう。騒ぎを起こさず,誤解を招かず,2人が脱出するには?・・・ラブコメっぽいシチュエーションだが,悪くない。ただ前半が長すぎる。また,納屋に対する描写が少し足りなくて,どういう状況なのかややあいまいだった。

「手作りチョコレート事件」:チョコレートをサトシに拒否されたマヤカは,1年後のリベンジと意気込み,立派な手作りチョコを完成させる。だが皆が目を話した隙に,チョコは部室から消えてしまった。・・・サトシとマヤカの2人もメンドクサイ性格をしているとは?!ガッカリだ。

「遠まわりする雛」:「生き雛」を演じるエルの従者として,ホータローも祭りに参加をする。エルの村を巡るうちに,ホータローはある決心をしかける・・・お祭りの雰囲気,美しく着飾ったエルに,ついにホータローは素直になる。なんだか急な気もするけど,どう考えたって,これが素直な気持ちだろう。のどかで良い短編のおかげで,読後感が良くなった。











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Last updated  2010.10.15 00:21:09
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