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2010.10.15
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カテゴリ: びしびし本格推理
見事に読者をあっと言わせる技術を持つ作家・道尾秀介の長編を読んだ。

○ストーリー
借金で身を持ち崩し,一時期は言われるままに闇金融の手伝いもしていた武沢は,その組織の情報を警察にリークし,逃げた。同じような過去を持つテツと暮らし,細々とサギ師として生計を立てている。だが武沢について調べている男が現れ,彼らのアパートが放火された。ついに闇金融の残党に見つかったらしい。
即座に住みかを変えた中年2人組のところに,まだ10代のサギ師の少女が転がり込む。奇妙な共同生活が始まるが,やはり闇金融の追っては迫る。そこで武沢は反撃を決心する。闇金融に対して,大きな詐欺を仕掛けてやると。

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うーん,やられた。毎回ながら見事にだまされた。ところどころ怪しげな伏線があって,そっちに気を取られて,だまされてしまった。道尾秀介がサギ師だったら,大金を奪われているところだ。

大仕事を仕掛けている最中に突然仲間が裏切り,それでも切り抜けた中で事故が起き,逃げ切ったと思ったら・・・ともう次から次へとどんでん返しが起きるので,全く予測不能だ。これを見切ったという人がいたら,嘘つきだと思う・・・いや,サギ師か?

ただしこの作品は,だまされてもどこか気持ちがいい。主人公が,仲間に囲まれていて,擬似家族のように仕事をしている,ということもある。また,主人公たちの目的がはっきりしているということもあるだろう。

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武沢たちも過去にそれぞれ大事な人を失っていて,その弔いも兼ねての大仕事だったのに,その結末がこれではいけないような気がしてしまった。

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男2人(中年だが)と女1人(ティーンだが)の3人組というのは,古今の悪党作品の王道パターンだと言って良い。少女が,上の部屋がうるさいから,男2人の部屋で寝ようとするあたりは,そうした作品へのオマージュかと思った。

だが残念ながら,早々に別のカップルも転がり込んできて,3人組は5人組になってしまう。大きな仕事を仕掛けるには人数が必要だし,今度は擬似家族としての生活が始まるので,5人組も悪くは無いのだけど,せっかくの王道パターンが崩れてしまって,個人的には残念だった。

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盗聴専門の探偵事務所がゲスト出演していた。

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「向日葵の咲かない夏」以降は,道尾秀介の落としどころも変わってきたのだろうか?いまだに最初に読んだこれの印象が強くて,同じようなラストではないかと身構えてしまう。真っ黒な手を描いた表紙イラストもなんだか恐ろしかったし。

気持ちよくだまされる,そういう作品だ。ただどうしても,ハードボイルドを読んでいた者からすると,物足りなく感じてしまう部分があるのは否定できない。











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Last updated  2010.10.16 15:03:13
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