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2010.10.26
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カテゴリ: びしびし本格推理
読むたびにワクワク感を感じる道尾秀介の作品を読んだ。

○ストーリー
高校時代から30才を超えるまで続いているアマチュアバンドが練習をしている貸しスタジオの倉庫で,ある事件が起こり,1人の命が失われる。ただの事故のように見えたそれは,バンドのメンバーたちに,殺人事件ではないかという疑念を植えつける。それぞれの生い立ちに隠された影は,彼らを大きく覆い始める。

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タイトルのラットマンの意味は,早々に心理学の用語での「命名効果」だと明かされる。それ以外にも「合理化」などが重要なキーワードとして使われるなど,なんとなく安易に心理学を前面に出してくる。

たぶん伝統的な言葉を用いれば「先入観」あるいは「カンチガイ」を軸に,物語は悲劇へと進んでいく。こうしたフツーの言葉を使うと,急に安っぽくなってしまうけど。

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物語の主軸は,バンドでギターを担当する姫川リョウという男性で語られる。彼は,自分の家庭で起きた過去の事件に大きく縛られていて,他人と一定以上の関係を持つことができない。

彼は事件の発覚を恐れるが,彼の友人たち,そして警察も確実に謎を解く。徐々に迫ってくる捜査への恐怖は,なかなか臨場感を持っている。



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一方で,物語はどこか暖かさに満ちている。バンドメンバーたちは,お互いを疑いつつ,反面どこかで信じようとする。彼らを追い詰めるはずの(毎度おなじみ)隈島刑事は,逆に父親のように慈愛を持って接する。

最後には不幸の連鎖の真実が明らかになり,読者は(毎度おなじみ)道尾マジックに捕らわれていたことにガクゼンとする。

そこで読者が見出すのが,人間のダークサイドか,ライトサイドかは,読んでみてのお楽しみだ。

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僕自身は,小説の作者に”してやられる”ことに抵抗はない方だと思うが,この作品は少しやり過ぎだと感じてしまった。作者の意図的な情報の制限により,読者をチガウ方へと誘導する手法が,あまりにもあざとくて,個人的には鼻についた。

あと主人公を,どうしてここまで冷たい気持ちの人にしたかなあ?

その2つがガッカリだ。










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Last updated  2010.10.27 00:09:13
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