暇粒

暇粒

迷子ちゃん

迷子ちゃん


迷ってる 幼い頃に海で迷子になってたあの頃みたいに

優しさ探してる 安らげる場所を 安住の地を

足は震えてる 不安と恐怖で立つことが精一杯だから


休憩しようか 石段に座る 人が群がる

「どうしたの?」その問いに僕は「どうもしない」と答えた

知らない人には付いて行きません 誰も信用しません

親から云われてるんです ごめんなさい だから消えてください


優しさの意味も温もりの意味も求めちゃいないから

ただ休ませて 本当に疲れたよ そう弱音を吐いたんだ

今度は誰も振り向こうとしてくれない

やっぱりそうだった 親の云うことは正しい 信じちゃいけないね

だから僕はまた独り歩き出した 途方も無い旅路を行く


野良猫が居た 捨てられてたみたい ダンボールの中震えてた

僕は拾った 大した理由じゃ無い 目から流れる涙は邪魔臭かった

胸の中で震える猫に 温もり求めたけど 在るのは虚無感だけだった

一時の 優しさに似た同情 残るのは罪悪感 エゴイストである事を確認

捨てた人を憎みだした 捨てられた猫を憎む そしてそんな僕を憎む


朝日が昇った あぁもうこんな時間か 明暗の変化にすら気づかなかった

自分が猫の居たダンボールの中で寝ていた事にも気づいた

夢だった 昨日までの事は夢だった そう願うしかなかった

また歩き出す もうクタクタだよ 聞いてくれるのはこの猫だけ


迷ってる 幼い頃に海で迷子になってたあの頃みたいに

優しさ探してる 安らげる場所を 安住の地を

足は震えてる 不安と恐怖で立つことが精一杯だから


どう云えば良い? どう云えば善い?

どうすれば良い? どうすれば善い?


何が何だか解らない 今この状況が

この問題を出したのは僕なのに

解答者は僕1人なのに










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