暇粒

暇粒

テーブル

テーブル


町の広場 人の群れ 

何群れにも分かれているよ その群れら

少し高い台 少し高まる胸の鼓動

テーブル置いてその上で 芸を魅せよう 笑わせましょう

人は僕をこう呼ぶ 「卓上の道化師」

僕は僕をこう呼ぶ 「極上の道化師」

一人よがりかな 独りよがりだよ


僕は次第に有名に 僕の噂は方々へ

町から町へ 町から城へ

王様の遣いと言う者が来た

彼は僕にこう言った

「王様はそなたを一度直に見てみたいと申しておられる」

僕は口を馬鹿みたいに広げて 想像は宇宙規模に

あぁ、僕は有名に?あぁ僕は実力者?認められてる?人々に?

続けざまにその遣いは言ったんだ

「是非とも来て下さらぬか?」

僕はその言葉を聞き終える前に頷いていた

無論その先、その後、未来は見ないで 見向きもしなかったよ

その日の午後 城に赴く僕が居た


極上の道化師、ただいま参りましたと叫んでみれば

王は興奮し歓喜した

僕は王の前へ跪き 目の前に用意してくださったのだろう

その豪華絢爛なテーブルの上に乗りました

王様は豹変、僕にこう言った

「この獣!極上の道化師と訊いたから呼んだものを、それでは卓上の道化師ではないか!」

あぁなんと不運 僕の噂はただの皮肉だった

人が僕を呼ぶ名でなく 僕が僕を呼ぶ名で広まった

つまりは僕の名前からの先入観で広まった

つまりはただの2流芸人なのに広まった

つまりは世間のはずれ者なのに広まった

つまりはただの阿呆野郎ではないか?

人は僕を皮肉を込めてこう呼ぶ


「極上の道化師」


世界というテーブルの上

自己満足で演じ続けた僕は何










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