Nemesis

Nemesis

【雫】【ハープ】【死音】




紫陽花に冷たく光る雫を

小指でそっと弾いた


梅雨の空を映した雫は

どこかに落ちたのだろう

聞こえないはずの

弾ける音が心に木霊した


僕らもこの雫のように

心に響く音を残すことが出来るだろうか




【ハープ】


そこに天女はいない


わたしは奏でた

七色に輝く天女のハープを


儚いようで心地よく

風のように流れる音は

耳に届いてふっと消える


目の前に微笑む天女がいた





【死音】


痛くて耐えられない

動くたびに軋む身体

血の味が口の中に広がる


もう動けない

内臓の弾ける音

骨の軋む音

その全てが 死音

カクジツに死音が大きくなってゆく


でも

まだ聞こえる


まだ

生きていることの証





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