悪魔のミカタ７を読んで

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2006年06月12日

、復讐のため邪神・天津甕星を復活させてしまいます。木のような胴体にヒトデ形の頭、そしてヒトデ形の真ん中についた澄んだ瞳をもつ天津甕星は一見かわいらしい気がしなくもない風貌ながら世界を滅ぼそうとしていて・・・。
　「悪魔のミカタ」シリーズは死んでしまった恋人・冬月日奈を生き返らせるため悪魔のミカタとなり、悪魔の作ったアイテム「知恵の実」と契約した人間の魂を奪うことになった主人公・堂島コウの物語です。今回は、前回に引き続いての番外編で同性愛者であることをカミングアウトしている少女・小鳥遊恕宇と冬月日奈の小さい頃のストーリーになってます。
　主人公は小鳥遊恕宇なのですが、信じていた者たちに裏切られたことで傷つき世界を滅ぼそうとする邪神・天津甕星と天津甕星が世界を破壊しないように知略を練る冬月日奈の二人を中心にストーリーは進んでいきます。とても優しい性格なのに裏切られたことに傷つきどうしても世界を破壊せずにはいられないという天津甕星に冬月日奈は「アラビアンナイト」の王妃のように挑むのです。アラビアンナイトでは次から次へと楽しい物語を話す王妃を殺すことができず最終的に悪役の王様は王妃に説得され復讐をあきらめます。しかし、天津甕星はアラビアンナイトの結末を知っていてそれでは復讐をあきらめることはできないと言うのです。
　世界を滅ぼそうとする邪神に対し、心からの物語を話すことで説得し世界を救おうとする冬月日奈。冬月日奈の話す物語の意外な結末やその真の意味、裏切りの真相そして誰もが絶望する中あきらめない日奈の活躍がとても面白かったです。また、冬月日奈に対する小鳥遊恕宇の想いが伝わるとともに今後のストーリー展開が楽しみになりました。
　ジャンルはミステリーファンタジー。ミステリーやファンタジーが好きな人にお薦めです。＜終＞