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レッドズノート
最終話 終焉
アズラエル達のおかげで、永きにわたる『REDSTONE』をめぐる戦争は幕を閉じた。
その後のロレッタ達や、ファントム達は、今・・・。
古都ブルンネンシュティグ城 科学実験室
例の3人組の1人、ラベルの声と医師の声が響き渡る。
「マテやクソガキィィィ!!!これ打てばお前の薬物依存症が治るんだぞ!?逃げるな!」
「あぁ!?テメー注射はやめろっつってんのがわかんねーかおい!?いてぇんだよ!・・・こっちくんなー!」
そのラベルと医師の追いかけっこを、すでに薬を打ち終わったレーシェルとミーシャが笑いながらみていた。
「・・・まったく、あっちのがうるさいっての・・・」
「ホント、それに、ここの建物の構造、よくわかんないし」
「・・・でもさぁ、レーシェル」
「あ?」
「あの薬、打たなかったら、俺達死んでたんだろ?」
「・・・まぁ、そうなるかな」
「・・・だったら、敵の俺達をここにつれてきたあいつらに、感謝しねーとな・・・」
レーシェルは、口元に笑みをうかべながら、言う
「当たり前だろ?この依存症が完全になくなったら、ここの兵士達のメンバーとして特別にいれてもらえるんだ、礼はそれで一生懸命やりゃあいいさ。」
「・・・だね」
古都ブルンネンシュティグ 西門
ファントムとキャロルが荷物をまとめ、今古都をでようとしていた。
それに気付いたラムサスが、走りよって話し掛ける。
「・・・おい、お前らどこいくんだよ?」
「・・・む、ラムサス・・・か・・・」
気付いたファントムとキャロルが歩みを止め、ラムサスに振り返る。
「どうした、ラムサス?」
「いや、ここにいてもいいって王から許可もらったのに、どこいくんだろうなって」
「・・・私たちは、しばらく旅にでるつもりなの」
それを聞いて、ラムサスは驚く。
「ど、どういうことだよ!?」
「教えてやろう」
キャロルの代わりに、ファントムが答える。
「・・・私たちは、あそこにいきつくまで、数多くの町の資料館や施設を襲い、破壊したこともある。その町に人たちに、誤りにいかなければならない」
「・・・そう、か」
ふと、ラムサスは思った。
誤っただけで、許してもらえるとは思わなかった。たぶん、戻ってくることはすごい時間のかかることだろう。
それが、不安だった。
「・・・それじゃあ、な。いくぞ、キャロル」
ファントムが向き直り、行こうとすると、キャロルが言った。
「あ、先に行っててください、兄さん。すぐ行きますから。」
「・・・わかった。」
そして、スタスタといってしまうファントム。ヘイストがかかっているのだろうか?
そんなことを考えていると、キャロルが話し掛けてきた。
「・・・ラムサス、ちょっといいかな?」
「な・・・なんだ?」
「・・・ちょっと、目、つぶっててくれない?」
「え?なんで?」
「・・・いいからっ!」
そういう彼女の頬は、少し赤く染まっていた。何か言いたいことでもあるのだろうか?
「・・・わかったよ」
そして、目をいわれたとおりにつぶった。
つぶってる間に、キャロルとの色々なことを思い返していた。
ウルフの巣穴で起きた出来事や、その短い時間で話した言葉の、一つ一つを丁寧に思い出していた。
目をつぶってから、結構たった気がする。
「もう、いいか?」と聞こうとした瞬間。
柔らかいものが、ラムサスの唇に触れた。
驚いて目をあけると、彼女の顔がすぐ目の前まできていた。
とじていた瞳が急に開いたので、驚いてキャロルも後ろに下がった。
「・・・ちょっと!ちゃんと閉じててよ・・・」
「あ、ご、ごめん・・・」
そういって彼女の方を見ると、なぜかこちらをみないようにそっぽを向いていた。
照れているのだろうか?
そう思っていると、キャロルがいう。
「・・・じゃ、兄さん追いかけないといけないから・・・」
「・・・ああ、『また』な・・・」
「・・・うん」
そして、キャロルはファントムを追いかけていった。
その後姿が見えなくなるまで、ラムサスはその場に立っていた。
古都ブルンネンシュティグ 病院
病院の後ろにある丘に、レクルはロレッタを呼び出していた。
その丘からは、海が一望できる。
時間は夕方、夕焼けが美しくあたりを照らしている。
レクルがまっていると、いつもの鎧姿で、ロレッタが来る。
「・・・こんなところに呼んで、何か用?」
「ちょっと、聞きたいことがあってな・・・」
ロレッタが、レクルのすぐ横に座る。
座るのを確認したあと、レクルが言葉を続ける
「・・・お前、俺と初めてあったとき、『ヴァン』って呼んだよな。俺を」
「・・・うん。」
「その、『ヴァン』ってやつのこと、全て話してくれないか?」
「え・・・?」
「何か、ひっかかるんだ。心の片隅に、な」
「・・・わかった」
そして、今までの思い出話といえるような話を、全て話した。
その話をしている最中、レクルは一切言葉をはさまず、ただうなづくようにその話を聞いていた。
そして、結構な時間がたった
「・・・というところかな。あたしがはなせることは」
「・・・そうか・・・」
レクルが、ロレッタの方を向き、言った。
「その話が正しいなら、俺は、その『ヴァン・レグール』という人物ということにならなければ、俺のひっかかることと一致しない・・・というのが、俺の考えだ。」
「じゃあ・・・」
「そう、俺は前まで、『ヴァン』という人物だった」
その答えを聞いた瞬間、ロレッタの心の中から不安なものが消えていった。
「・・・だが、ひとつ聞きたいことがある。」
「・・・?何?」
「確かに俺が『ヴァン』ということはわかった、だが、俺はお前との思い出が一切思い出せない・・・どうすればいい?」
何をきかれるかと思ったが、なんだ、そんなことか。
「大丈夫、それは・・・」
「・・・?」
こっちを向いて、答えを待っているレクルの肩を寄せる
「・・・これから作ればいいんだよ・・・」
そして、ロレッタとレクルの、2つの唇が・・・重なった。
「・・・!」
レクルは、いきなりのことに、身を離そうかと思ったが、その感触に目をつぶり、しばし身を任せた。
[後書き]
さて、皆さんこんにちは、GFです。
小説の第2作、いかがでしたでしょうか?
自分でも、2作目を書くとは思わなかったので、微妙な心境です。
書くのが苦手な戦いシーンが多かったですしね。
さてここで裏話をいたします。
実は、ここまで執筆をすすめるまで、かなり分岐が迷いました。
本当はファントム・クラウンと例の3人は死なせる予定だったのですが、
今回は死ぬことなく、そのまま生き延びています。
ま、作者の勝手ということで。
第3作を書くかは、わかりません。
書くとしても、赤石とはかけはなれた話になりそうです。
第2作も最後まで読んでくれた方々、まことにありがとうございます。
これからも、GFとこの(つぶれかけた)ブログを宜しくお願いします。
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