悪戯BEFORE CRISIS

悪戯BEFORE CRISIS

飛べない鳥ほど...




もうすぐ冬が来て、渡り鳥はみーんな温かい場所を目指してるのに


その鳥だけが空を飛び交う仲間を見つめてた


どこか物寂しげに


よく見ればその鳥の翼は小さくて、羽が曲がっていた


人に虐められてなったのか、生まれた時からそうだったのかはわからないけど


飛びたくても、飛べないという事だけが事実だった


どんな瞳で空を見つめようが、どんな声で鳴こうが、飛べないのは変わりなかった


この鳥は≪死≫を恐れている?それともただ飛べないことに涙する?


鳥は飛ぶ為に翼を持っているのに、この鳥は飛べない


この鳥は飛べないから生きれない


だって、鳥が知っている世界は≪空≫だから


私の知っている世界は≪地面≫で、それ以上は知れない


鳥が空だけしか住めないように、私は陸が無ければ生きていけない


鳥のように飛べるわけでもないし、魚のように海を泳ぐことも出来ない


手を伸ばしても見れない世界がある、手に入れられない世界がある


じゃあ空の世界しか知らない飛べない鳥は・・・・・・・・?


飛べない鳥ほど、無力なものはない


だって自分の世界にすら行けないんだから





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