犬心理

男前.jpg


犬は人の心を読めるのか?

2011年6月21日(火)10時40分配信 dog actually 
[photo from ] [ 拡大 ]
-PR-
辛い時には、まるで慰めてくれるかのように静かに傍に寄り添ってくる犬。嬉しい時には、一緒になってウキウキする様子を見せる犬。言葉を口にしなくても、犬たちは私たちの日々の気持ちの変化を敏感にキャッチすることができる、愛犬との生活を通じてそのように感じたことはありませんか?犬が人の心を読むことができるのはなぜなのか、どのようにして読んでいるのか。そして、その能力は生得的なものなのか、それとも経験から得るものなのか、といった疑問に対して、米国フロリダ大学の研究者らが実験を行い、その結果を行動心理学の専門誌『Learning & Behavior』に発表しました。

研究者らは、オオカミと家庭犬、シェルターの保護犬を対象に実験を行いました。種という観点から犬とオオカミとを比較し、育ちや生活環境という観点から家庭犬と保護犬とを比較するためです。実験では、気をかけている親切な様子の人、もしくは、動物たちに背を向けて目をあわせることができない状態の人、どちらかから食べ物をもらえる機会を各動物に与えました。

その結果、犬と同様にオオカミも、気をかけている様子の人に接近して食べ物をもらおうとしたそうです。このことより、犬の先祖であるオオカミも、そして家畜化された犬も、人の注目状態に従って行動を起こすことが示されました。つまり、犬は生来、人の心を読む能力を持って生まれてくる可能性があることを示唆するものだと研究者らはいっています。また、実験を繰り返すことで、オオカミも家庭犬もともに、気にかけてくれている人から食べ物をもらうという行動を急速に向上させていくことができたようです。

また、犬によって、人の注目度を視覚的なキュー(合図)としてどう感じるかが異なっていたそうです。特に、家庭犬とシェルターの保護犬とを比較すると、家庭犬の方が気をかけてくれている人から受ける刺激により敏感であることが分かりました。人と接触する時間が短かった保護犬たちは、注意を向けてくれている人に食べ物をもらいに行くというタスクを家庭犬よりも上手にすることができなかったそうです。つまり、人との接触が増えるほど、人を読む能力が高まるということが示されました。

これらの結果について研究者らは、犬のこのような能力は、人を社会的な仲間として進んで受け入れたいという意志から生じていることを示唆するもので、かつ、特定のキュー、前後関係、それまでの経験による組み合わせと結び付けていくことが重要だといっています。

私たち人間同士では気付かないような些細な動きはもちろん、気持ちの状態によって変化するかもしれない身体や目の動き、さらには視覚だけでなく嗅覚や聴覚も駆使して、犬たちは私たち人間を読もうとしているのかもしれません。犬の読心術が生まれ持った能力であるとしても、その能力は時を経て磨きがかけられていきます。私たち人間も、犬の些細な動きや状態をもっともっと見ることができるよう、愛犬と一緒にお互いの能力に磨きをかけていきたいですよね。皆さんはこれまでに、愛犬に心を覗かれたような経験はありますか?


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: