___②ジョイとの出会い


ミニチュアダックスフンドをブリードしてる
マッコイさんのお宅に伺ったときでした。

 マッコイさんはミニチュアダックスのブリードの経験が長く、
広くてきれいなお家には、ほんとうにたくさんの
ロングヘア、スムース、ワイヤーヘアの赤ちゃんがいました。

 日本で犬を飼っていたこともあり、犬は大好きで飼いたかったのですか、
自分がまだ学生である上に、親に頼って生活している身分で
犬を飼うのはもってのほか!
 そこでこの日も <見るだけ・・・>という気持ちで
ミニチュアダックスを買うと決めた友達についていくだけの予定でした。

 ところが。
ジョイをひとめ見たとき。
感じたんです。
<あ、この子は私の子だ!> って。

 この出会いは運命だとしか思えなかったのです。
だってまだ目もしっかり見えていない彼は
初めて会った私に抱かれても泣きもせず、
それどころかひざによじ登ってスヤスヤ眠り始めたのです。
籠の中に戻しても、またひざによじ登って眠る・・・。
初めてあった私に、抵抗もせず、身をまかせてくれてるようでした。 

 運命を感じても、私の心は <飼ってはいけない!>
強く反対しました。犬は生き物。命あるものです。
学校だっていそがしいのに、本当にこの子の世話をできるのか?
しつけは? お金だってかかる。 なによりも・・・

本当にこの子を幸せにできるの?


 そんな自信、まったくありませんでした。
そこで、一度は言ったんです。
<やっぱり無責任には飼えない> と。

 そのとき、マッコイさんがいいました。

<そうね。いつでももっと余裕のでたときに
犬を飼えばいいわ。この子は毛並みもショードック
向きだから、すぐに飼い手はみるかるわ。>


 それを聞いて、もう一度ジョイの寝顔をみたとき、
自分のエゴをおさえることができませんでした。
この子が別の人の子になるなんて、そんなの嫌!


<この子をください。>



 こうしてジョイは私の子となりました。



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