思い違いかもしれない






すべては、奇跡が起こりえる場合のみに
限るのだけれど、
だから、悩む必要などないのだけれど。


ある映画が好きでした。
もし、もう一度恋をするような奇跡があるとしたら、
それは出来ればその映画のようにと。

それはまるで少女のように
一途に懸命に美しくと。

でも、年齢を重ねるうちに
その映画に疑問を感じ始めてきた。

人を愛すると言う事の難しさ。
それは一瞬の出会いなどでは
到底無理である事。
だとしたら、
信じてきた物は
間違えだったのではないだろうかと言う事。

自分の本当の姿を
知っている人はいるかな?
自分さえわからないのに、
誰かを理解する事なんて
出来るのかな?
しかもたった5日で。
しかも永遠になど。

恋愛に限らず
誰かを愛すると言う事は
良い所も、悪い所も
全部ひっくるめてだと思う。

自分の子供達を愛している。
当然彼らはいい所ばかりじゃない。
悪い所も、間違えている考えも
それのすべてが彼らだから
私は愛すべき者達を
永遠に愛する事が出来るんだと思う。

5日間の恋を
永遠の物に出来るとしたら、
それはただの思い違いで、
綺麗なものしか見ていない、
恋に恋をしたおろかさなのかも知れないという事

だから、私に
もし、もし奇跡が起こりうる事があっても
私はもうあの映画を忘れよう。

しかし、肝心の奇跡は
起こりうる可能性は無く、
また、無駄な事を考えては、
貴重な時間を無駄に過ごす私がいるだけなのです。

すべては、奇跡が起こりえる場合のみに
限るのだから、
語る必要など全くないのだけれど。




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