路上にて…

路上にて…

2006/01/08
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カテゴリ: その他の映画
やっと観る事が出来ました。
この作品は結構観に来ている人が多かったです。

僕にとってはこの作品を観る際に切っても切れない作品があります。
1981年製作の“連合艦隊”は太平洋戦争開戦から戦艦大和沈没までの、旧日本海軍
の栄光と挫折をある二家族の視点で描かれています。
そして“連合艦隊”では戦艦大和は連合艦隊の象徴として、沈没する事により日本
海軍の終焉を描いていますが、“男たちの大和/YAMATO”では戦艦大和をクローズ
アップしてその乗組員と周囲の人達の心模様を描いています。

この作品のキャラクターのモデルは実在の方々なので、“連合艦隊”よりもリアリ

臼淵大尉の
 進歩のない者は決して勝たない。
 負けて目覚めることが最上の道だ。
 日本は進歩と言うことを軽んじ過ぎた。
 私的な潔癖や徳義にこだわって、
 真の進歩を忘れていた。
 敗れて目覚める。
 それ以外にどうして日本は救われるか
 今目覚めずしていつ救われるか。
 俺たちはその先導になるのだ。
 日本の新生にさきがけて散る、

と言う台詞が胸に突き刺さります。
しかも弱冠21歳でこの境地に達するとは尊敬に値します。

“男たちの大和/YAMATO”も“連合艦隊”も共通しているのは、反戦美化ではなく
て、その当時戦争に行かざるを得なかった人達の想い、残された人達や生き残った
人達の想いを切なくなるほど大切に描いていると思いました。


解っている沖縄に行かせるのは、命令の限界を超えた無謀と言うより司令部の愚考
以外の何者でもないと改めて思いました。
真珠湾攻撃で自らが航空兵力の有効性を実証しながら、大艦巨砲主義へ逆行したの
は、既に戦争に負けていたと思います。
日露戦争時の日本海海戦での戦果と言う『亡霊』に縛られていただけかも知れませ
ん。
開戦直後に就航した大和可能ならはともかく、二番艦の武蔵は空母として就航すべ
きだったと思います。
※出来れば大和も武蔵も空母に改装すべきだったかも…。(その前にパイロットが
 決定的に不足していたのは否めません。
更に大艦巨砲主義に凝り固まった思想故か、戦艦等を中心とした『主力部隊』、空
母を中心とした『機動部隊』差別したのも戦況の明暗を分けたと思います。
この連携が上手く出来ていれば、連合艦隊司令長官山本五十六大将(戦死後元帥)
が描いた短期決戦早期和平が叶ったかも知れません。
※そうなれば我が国は未だ軍事国家だったかもしれませんが…。(それも嫌です)
※負けた理由にはアメリカの国力を過小評価したり『神国日本』と、精神主義傾倒
 や情報の軽視も 敗戦の一因であると思います。(他にもあるでしょうが…)

大艦巨砲主義故の悲劇の産物である大和を題材にした事に対して、批判的な方も多
く居られると思いますが、『世界最大にして最強の不沈艦』のはずの船に乗り組み
戦場へ赴き、結局死ななければならなかった方々の想いを、少しでも感じ取る作品
だと思います。
そして僕らがこの方々の犠牲の上に今がある事を忘れてはいけないと思います。
その意味ではこの戦争の悲惨さ無謀さを表現するのに、戦艦大和や広島・長崎の原
爆、主要都市への大空襲等のエピソードは理解し易い題材だと思います。

“連合艦隊”では大和他の艦艇を1/数10のサイズの模型で撮影していましたが
今回は1/1スケールのセットとCG、現役自衛隊の艦艇で撮影していました。
模型オンリーでもアングルによっては本物と見まごうばかりになりますが、リアリ
ティーの面では今回の方が数段上です。
※予算のかけ方と技術力の差だけかも知れませんが、その時代ごとの思い入れは伝
 わってきます。

この作品の期待に対する評価は期待通りの★★★★★で、僕にとって“連合艦隊”
に負けない良作だと思います。





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Last updated  2006/01/09 02:42:01 AM
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