臥雲県-ただ一つの森の中-

臥雲県-ただ一つの森の中-

第二説 前編



「・・・って、旅に出たんじゃなかったんかい!!」
黒雨は目を覚ますと、部屋にいた。ラキは隣で寝ていた。しかも、人の姿で。黒雨は旅に出ていなかったことはとりあえずおいといて、この状況をなんとかしようと、心見た。
「おい!おい、ラキ!!起きろって!!!そして猫に戻れ!母さんが来たら・・・」
“ガチャ”ドアが開く。母さんが黒雨を起こしに、部屋に入ってきた。また、黒雨に不幸な事が起こった。黒雨はなんとか言い逃れようと、口を開く。
「か、母さん!!こ、こ、こ、この人は・・・え~と・・・そう!泥棒で、昨日の夜、部屋に入ってきたから、おれがつかまえたんだよ。」
母さんは呆れ顔で言った。
「なにが“泥棒”だ寝ぼけてるんじゃないの?ほらほら、ラキ起きな!!」
黒雨は、母さんがラキを見て驚かなかったことに、驚いた。しかも、ラキの名前を呼んだし・・・。
「ふぁ~あ・・・もう朝かよ・・・ふぁ~あ、ねみぃ・・・」
「はやくしたくしなよ!!」

母さんが部屋を出て行くと、すぐラキに疑問をぶつけた。
「おい!なんでおまえを見て母さんはおどろかねぇんだ?しかも、名前まで呼んでたぞ!!なんかしただろ!?」
着替えながらラキは話し始めた。
「ん?まぁあれだ、漫画でよくあるだろ?記憶をすりかえるってやつだよ。
みんなの記憶では、おれとおまえは双子ってことにしたから。」
黒雨はラキが黒雨が通っている学校の制服に着替え始めたのを見て言う。
「な、な、な、なんで!?うちの学校の制服を!!??」
「さっきいっただろ?双子の設定って。んじゃあ、またこれからよろしく♪」

黒雨は、もうなにがなんだかわからなくなっていた。もう昨日~今日までにいろいろありすぎたようだ。まず、ラキに向かって光が、そしてそのあと、人になり、“Finks”のこと、武器化、そして“Finks”探しの旅。もうこの世界が、完璧に漫画にしか見えなくなっていた。すこし落ち着いた。落ち着いてみると1つの疑問が浮かび上がってきた。
「なぁ、旅はどうなるんだ?いかねぇのか?あれは、うそか?」
「旅?ああ、いくよ。けど今はダメだ。」
「なんでだよ。」
「おもえも見ただろ?他の所にも光が伸びてたのを。ということは、他のペットもおれと同じような力を持ったってことだ。だから、旅に出たってすぐ死・・・おっとあぶねぇあぶねぇ。まぁとにかく。今はダメだ。あと、言うの忘れてたけど、おれが兄だから。」
そう言うとラキは部屋から出て行った。黒雨も急いで制服に着替え、部屋からでる。ラキは黒雨を見ると、黒雨に向かって言う。
「おせぇぞ。はやくいくぞ。」
飯を食う時間がなかったから、黒雨が好きなゆでたまご1つと、少々の塩を持って、学校へ向かう。

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