PR
キーワードサーチ
フリーページ
昨日はその前日ということで、
レストランの臨時特別メニューのタイピングと
印刷とに終われ(イタリアっていつも 土壇場
なんですよ、仕事)、
いつも以上にひとり静かに ブチ切れていた
わたしでした。
そこへ仕事後、近所の商店街に出かけていたイローナが、
山のような量のプレゼントを買い込んで帰ってきました。事務所の奥のロッカーが置いてあるスペースで
ガサゴソガサゴソ。
今年からわたしたちの要請により設置された
日本でもよく見かける銀色で縦長の ロッカー
。
置き傘、 置き靴
、置きスーツ。
お菓子や雑誌まで、
ここで暮らせるのではないかと思うくらい
色々なものを置いていっていた彼女が、
年末大掃除をしているようなのでした。
わたしは手前の事務室でパソコンに向かっていたのですが、
何やら奥で彼女が一人で騒いでいる声がするのです。
はじめは誰かと電話で話しているかと思ったのですが、
何かおかしいな、と思ったので「ナニ?ナニ?」と首を出すと、
立って大声で 泣いている
のです。
「???」
訳も分からず彼女に近寄ると、
みるみるうちに顔の左半分に
血がどうどう
と流れていくのです。
「頭打ったんだ!」
考えはそこまでは及ぶのですが、
それ以上に進む思考回路は完全ストップ。
パニックになってしまいました。
とりあえず血を止めなきゃと、
その辺にあった ペーパータオル
を
出血した左頭部に押し付けて
彼女が泣きじゃくりながら言うことを聞けば、
どうやらロッカーの上からワインの瓶が落ちてきて
頭を 直撃
したとの事。
そこに瓶を置いた奴の正体も
わたしたちにはすぐに想像がつきました。
血はダラダラ、涙ボトボト、 金髪ボサボサ
で、
そこに瓶を置いた奴の悪態をつき泣きわめいている
普段は冷静沈着
なドイツ人の彼女を
近くの救急病院に連れて行ったのは、
彼女より15センチも身長が低くて童顔、
イタリア語もおぼつかない
日本人のわたしなのでした。
パニックのわたしはタクシーを呼ぶことも忘れ、
2人して 歩いて行った
のです(幸いにも病院は近所です) 。
救急車を呼ぶことも考えたのですが、ここはイタリア。
歩いて行った方が早いのは目に見えていました。
初めに見た時は一瞬
「あ、イローナ 死んじゃう
」と思ったのですが、
歩いているうちに2人とも落ち着いてきて
軽口をたたけるくらいになっていました。
救急窓口に入ると問診室がまずあり、
名前、住所、怪我をした時の状況などを聞かれました。
既に落ち着きをある程度取り戻していたイローナが質問に答え、
わたしはまったくの役立たずでした。
そして「すぐに順番が来るからね」と
廊下で待つように言われました。
列があり、30分近くたったところで、
「あのーまだですか?」と処置室に入って聞いてみると、
鬱陶しそうに「まだだよ、順番が来たらこっちから呼ぶから」。
また数十分して「あのーまだですか?」と言うと、
今度は怒られました、「まだだってば!」。
そして中から聞こえてくるのです。
「あいつ 2回目
だよ、聞きに来たの。ったく。」
ったく、って言いたいのはこっちの方よ。ったく。
イローナがようやく処置室に入ると、
連絡をしておいた彼氏のファビオが到着し、なんだか安心。
ホッとしたのでした。
なにしろイタリア生活4年間で
一度も病院に来たことがなかったわたし
(一度コーヒーを飲むのに入ったことはあったのですが)。
初めての病院体験
がコレとは。
一生忘れられない体験になりそうです。
1センチくらいの切り傷で、縫うこともなく、
瓶が幸いにして割れなかったのでガラスの破片を取り出すこともなく、
無事に治療は済みました。
そうそう、ファビオは車で来ていたので
イローナはロッカーの中でたまりにたまっていた
靴
やら服やらお菓子やらを
ラク~に持って帰ることができたのでした。

BRIAN SAN 2017年07月06日
VOSTRA ABITUDINE? 2013年09月08日
A ROMA CON IL MOTORINO 2011年09月10日 コメント(2)
カレンダー
カテゴリ
コメント新着