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| 作者:倉麻るみ子 ―深夜1時 カインの家― カイン「うーんと・・・、これがこうで・・・、それと・・・、コレを入れて・・・。」 カインは何故かゴーグルをかけている。 手に持っているのは、なんと、三角フラスコ。 中に入っているのは、何かの液体。 カインが今さっき、何かを加える前までは、赤い色だったが、薬を加える内に、紫、緑、黄色、ピンク。という順で、色が変化していった。 そして、最後の液体を一滴フラスコの中に垂らすと、色は、ピンク色から、煙を噴出すと共に、水色に変化した。 カイン「・・・よし、出来た。あとは、このまま冷蔵庫に入れて、6時間ぐらい冷やす。かぁ・・・。ふぁ~ぁ・・・、そろそろ寝るか・・・。」 カインはその液体の入った三角フラスコを冷蔵庫に入れて、リビングから自分の部屋へと向かい、眠りについた。 ―翌日― ―午前6時― ラルドが目を覚まし、部屋から出てきた。 喉が渇いたらしい。 ラルドは冷蔵庫を開けた。 すると、そこにあったのは・・・。 ラルド「・・・何だ、コレは?」 あの三角フラスコだった。 中には、水色の液体が入っている。 しかし、ラルドはそれを何かのジュースと勘違いして・・・、 ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、 ラルド「はぁ~・・・。」 ・・・飲んだ。飲んでしまった・・・。 すぐさま異変が起きた。 ラルド「う、うぁぁ・・・、」 倒れこんでしまった。 起き上がろうにも、身動きが出来ない。 ラルド「(な、何だ・・・、体が・・・う、動かない・・・。目の・・・前が・・・、霞んで・・・きた・・・。)」 ラルドは意識を失った。 ―2時間後― ―午前8時― 今度はウランが起きた。 隣のベッドには、ラルドがいるはず。・・・だったのだが、いない。 ベッドはモノケのカラで、触ってみると、すこし冷たかった。 ウラン「(どうしたんだろう・・・、ラルド・・・。・・・まさか、トイレで寝ちゃった。なんてことは・・・、)」 ウランは1階に降りてきた。 すぐさま、トイレの中を見た。だが、そこにラルドの姿はなかった。 ウラン「(・・・そうだよね。ボク、何考えていたんだろ。ラルドの事だから、散歩にでも行っているんじゃないかな。 ・・・うん、きっとそうだよ。)」 と、ウランは頭の中で、そう納得した。 そして、リビングへ通じるドアが目の前に。 ウラン「(さぁてと、今日の朝ごはんの当番はボクだから・・・、何作ろうかな・・・。)」 ドアを開けた。だが、そこにいたのは・・・、 ウラン「・・・?」 ???「・・・オイ。」 ・・・。 ウラン「何じゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」 と、一階の別室。 ファラスには、ミラルの家に一時的に移ってもらっているため、カインは久々に1人でソファーに寝ていたが、ウランのその声で飛び起きた。 カイン「うぅん・・・、もぅ・・・、何なんだよ・・・。」 カインは眠いまぶたを擦りながら、リビングへと向かう。 カイン「何なんだよ、ウラン。朝っぱらから、そんな大声出すな。目玉焼きを焦がすなって何度言えば・・・、」 カインはリビングに入ったが・・・、 ウラン「ねぇねぇ、カイン。見て、見て~(≧∀≦」 ???「ちょ、やめろ、ウラン!」 ウランが持っていた。というか、抱いていたのは、羽が生え、尻尾が生え・・・。 ・・・とにかく、どういう「動物」なのかは分からないが、「小動物」だというのは、確かだが・・・。 ・・・。 カイン「マジで、何じゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 ミラル「へぇ~、かわいいじゃない。」 ファラス「・・・で、ラルド。何故こんなことになったんだ?」 ファラスはそう言った。 そう、あの「小動物」とはラルドだった。 言われて見れば、顔つきといい、風貌といい、首に巻いているマフラーといい、ラルドと似ている。 ラルド「冷蔵庫の中に入っていた、うーん・・・、あのスポーツドリンクにでもあたったのか・・・。」 カイン「何だって!?(`д´!」 ウラン「そう言われれば、三角フラスコがあったような・・・。」 ジロリ。 カイン「な、何だよ?(゜д゜;」 ファラス「こんなトラブルを起こすような奴が近くにいるとしたら、お前以外いない。」 グサッ、 ミラル「またなんか、「ミックスジュース」モドキでも作っていたんでしょ?」 ウラン「まったく、呆れるね。」 グサリ、グサリッ、 ラルド「お陰でこのザマだ。どうするんだ!?」 グサリッ、 ミラル「まぁ、ラルドはこのままでもいいかも。」 ラルド「なっ、」 ウラン「こっちのほうがかわいいもんね。」 ラルド「冗談じゃない!一生このままでいろというのか!?(怒。」 ウラン「そんなに怒らなくても・・・。」 ラルド「カイン!私を元の姿に戻せ!!」 カイン「んな事言われても、まさかこんな状態になるとは思わなかったし、解毒剤みたいな物は作ってないぜ?」 ラルド「・・・(怒。」 ミラル「怒ったように見えなくて、むしろ可愛いんだけどw」 結局、暫くはその姿でいる事になってしまった。 ウラン「そうだ!翼あるんだから、飛んでみてよw」 と、ウランが興味深そうに、抱いているラルドに問う。 ラルド「バカ者。仮にも私は、元は人間だぞ?翼があっても、飛べるものか。」 カイン「やってみないと判んないぜ♪」 ミラル「そうよ♪やってみてよ♪」 ラルド「・・・。」 ウランは、ラルドをテーブルに乗せようとしたのだが、何か思いついたかのように、突然ラルドを上に軽く投げた。 ラルド「な、何やっているん・・・?」 セリフは途中で止まる。何故なら、ラルドはその翼を使って飛んでいたからである。 その事に、本人も驚いている。 ウラン「やっぱり飛べるじゃんww」 ミラル「飛んでいる姿も可愛いww」 ラルドを絶賛する2人。 カイン「飛べるんだったら、これから余り不便はなくなるなww」 ラルド「はぁ?不便に決まっているだろうが!これからのバイトはどうなるんだ!!?」 カイン「まぁ、その姿で行くのもなんだし、休むしか他ないということで・・・。」 ウラン「じゃ、ボクも休めるねww」 カイン「何でそうなるんだよ!」 ウラン「だって、皆バイトに行っていたら、ラルドはどうするのさ?」 カイン「ぐ・・・。」 ウラン「だから、ボクが面倒見るって事で、いいよね?」 カイン「で、でもなぁ・・・。」 ウラン「ねぇ、いいでしょ?いいでしょ??」 カイン「・・・仕方ないか・・・。」 ウラン「やったぁww」 ラルド「何が、「やったぁ」だ!」 2人の会話に、ラルド介入。 しかも怒っている。 ラルド「私の事は別に面倒見なくてもいい!一人で何とかする!!」 ウラン「で、でも、ラルドが心配だよ・・・。」 ラルド「五月蝿い!何とかすると言ったら、何とかするんだ!!」 かなり必死で、面倒を見られるのを拒否するラルド。 ウランの事だ。きっと何かされるに違いないと思ったのだろう。 で、今日からそういうことに・・・。 ―翌朝― ラルド「く、苦しい・・・。」 何故ラルドがこんなセリフを吐いているのか? それは、ウランにしっかりと抱かれているからである。 昨日の夜から寝相も崩さず、小動物になったラルドを抱いているのだ。 その所為で、夜も上手く寝ることが出来ず、寝不足になってしまって、今でもウランから抜け出せない状態なのだ。 ・・・と、ウランに隙が! ラルドを抱いていた腕は途端に緩み、ラルドはその腕から抜け出したのだ。 眠いながらも翼を広げ、飛ぶラルド。 今では重いドアを、必死に開け、ふよふよと飛ぶが・・・、 ・・・ボテッ。 床に落ちた。 そしてそのまま、眠ってしまった。 ウラン「ふわぁ~・・・、・・・あれ、ラルドは・・・?」 目が覚めたウランは、ラルドがいない事に気付く。 あたりを探すが、全くどこにもいない。 ウラン「まさか・・・!」 ウランは飛び起き、ドアを開け・・・、 ウラン「ラル・・ド・・・?」 床にラルドが寝ていることに気付く。 ウラン「(こんなところに・・・。でも、何で・・・?)」 ・・・と、カインも目覚めた。 カイン「ふわ~。」 カインの頭はボサボサになっていた。 ウランは寝ているラルドを抱き上げ、カインの元に行く。 ウラン「おはよ。カイン。」 カイン「・・・ん?あぁ・・・、おはよ。」 ウラン「ねぇ、ねぇ。ラルドが床で寝ていたよ。」 カイン「何で?」 ウラン「ボクさ、ラルドしっかり抱いていたのに・・・。」 カインはため息をつき、いかにも「原因はそれか・・・。」という顔をした。 ウラン「何さ、何でそんな顔してんのさ?」 カイン「それだよ。原因は。」 ウラン「はぃ?」 ウランは何が何だかさっぱりわからなかった。 そして、カインは説明する。 カイン「ウランがしっかりと抱いている所為で、ラルドが凄く苦しい状況になって、それで必死こいてウランから抜け出して、ここまで来たんだよ。判ったか?」 ウラン「わかんない♪」 カイン「てめ、水ぶっ掛けて凍らせたろか!?」 ウラン「その前に、ボクの鞭で絞め殺すよw」 ウランの「わかんない」に即答のカイン。 そして、そのカインのセリフに対してまたもや即答するウラン。 何なんだ、この2人の会話は・・・(汗。 そんな訳の判らない会話で、ラルドが目覚める。 ラルド「・・・うぅん・・・、もう少し寝かせてくれ・・・。」 ・・・目覚めて一発目のセリフがこれかい。 それもそうだろう、ウランのお陰で寝不足なのだから。 ウラン「あ、え、えっと・・・、ごめん・・ね(汗。もう少し寝ていていいからさ(汗。」 ウランの言葉に、再び眠るラルド。 カイン「これからは、隣で寝かせてやるだけにしろ。」 ウラン「判ったよ・・・。」 朝ごはんも済ませ、バイトに向かう準備をする。 が、ラルドはまだ眠っていた。 ウランとカインは、置手紙をおく事にした。 ウラン「はぁ・・・、ホントはボクだってバイト休んで、ラルドのそばにいてあげたかったんだけどなぁ・・・。」 カイン「俺も心配だけど、仕方ねぇよ。ラルドが一人でも大丈夫だって言うんだし。 ・・・さ、行くぞ。」 ウラン「うん・・・。」 2人は、鍵を閉め、バイト先へと向かっていった。 ―数時間後― ラルド「ふわぁ~・・・。」 ようやくラルドが起きた。 姿が小動物だけあって、いつものあくびより数倍可愛いww 辺りを見回し、家に誰もいないことに気付く。 きっと、バイトに行ったんだろうと思った。 リビングに向かうと、テーブルに手紙が置いてあった。 しかも2枚・・・。 きっと、カインが書いた後に、ウランも書いたんだろうと思った。 とりあえず、一枚目を読む。 「ラルドへ。 俺らはこれからバイト行ってくるからな。 ラルドのことは、店長に風邪引いたとでも言っておくから。 安心しな! あ、飯とかは、冷蔵庫に作ってしまってあるから、レンジで温めて食べるよな! あとは・・・、家の鍵閉めておいたから、大丈夫だとは思うけど、あんまり外に出るなよ。 あ、ミラルたちは買い物済ませてから家に寄るとか言っていたから、淋しくなったら、ミラルの家にでも移ってもいいぜ! あ、でも、ちゃんと鍵は閉めろよな。 そんじゃな! カインより。」 必要事項が、所狭しと書かれていることが判る。 いつもはいい加減なカインだが、こういう時だけは、しっかりしている。 そして、もう一枚を手に取る。 「ラルドへ。 やっほー!ラルド起きたぁ~? ボク、ラルドの分までバイト頑張ってくるからね♪ ちゃ~んと、お家で待っているんだよ? それじゃぁねぇ~♪ ウランより。」 ラルド「・・・。」 いかにも、ペット扱いされているような文章だ。 何せ「お家」と書かれているのだし、雰囲気的にも「ラルド一筋」という感じが見て取れるのだから。 ラルド「・・・全く、ウランは無駄な事を・・・。」 ラルドはため息をつきながら、そう呟いた。 とりあえず、冷蔵庫まで飛んで、重い扉を開ける。 ラルド「はぁ、はぁ、はぁ・・・。扉を開けるだけで、こんなに体力を使うとは・・・。」 とにかく、「朝飯」と紙に書かれた物を取り出そうとした。 が、重い。持ち上がるのだが、重い。 小動物の姿で、お皿を持ち上げると、これだけ重いのかと思いながら、必死に持ち上げる。 ラルド「くそ・・・、意地張って「何とかする」なんて言わなきゃよかった・・・。」 兎にも角にも、レンジがおいてあるところにたどり着き、扉を開け、ラップのかかった朝ごはんを入れて、扉を閉める。 時間は1分とボタンを押し、スタート。 ―1分後― 電子レンジが「ピー、ピー」と鳴るので、扉を開けてお皿を取り出そうと手を伸ばす。 だが・・・、 ラルド「熱っ!」 お皿が熱かった。普通なら、1分温めた程度では火傷するような熱さにはならない。 だが、考えてみれば、今のラルドは小動物の姿。 単なる温かみのあるお皿が、いつもより熱く感じてしまったのだ。 それでも何とかテーブルに持ってきて、食べようとしたのだが、ふと時間を見れば、午後12時半。 すでに、朝ごはんではなく、昼ごはんと化していることに気付く。 ラルド「・・・不便だらけだな、この姿は・・・。」 ふとそう呟いた。 ―数時間後― ラルドは窓からでて、すぐ隣のミラルの家の前に来た。 呼び鈴を押そうと思ったが、やめた。 もし帰ってきたら、可愛い物好きのミラルに何されるか判ったものじゃない。 結局、カインの家に帰る事にした。 ・・・が・・・、何か嫌予感を感じた。 少女「わぁ~可愛いお人形さん♪」 ・・・嫌な予感はすぐに的中した。 知らない女の子は、ラルドを抱き上げた。 「お人形さん」と言われてしまっては、動くわけにはいけないと思ってしまい、ラルドはそのまま、女の子に連れて行かれてしまった。 ―午後 15:30― ウラン「たっだいまぁ~!」 カイン「ただいま~。」 カインとウランが、バイトから帰ってきた。 だが、ラルドの気配がなかった。 カイン「ラルド~?いるんだろ~?」 ウラン「返事してよねぇ~。」 やはり何度呼びかけても、ラルドは出てこなかった。 「もしかしてミラルのほうへ行ったのか」と、ミラルの家に行くが・・・、 ミラル「ラルド君?来なかったけど・・・、それがどうしたの?」 カイン「畜生!心配していた事が的中した!」 ウラン「何?どういうこと?」 カイン「ラルドは、外に出たんだ。そのときに、誰かに連れ去られたんだ!」 ミラル「それって、誘拐じゃない!?」 カイン「その可能性もある・・・。で、ファラスは?」 ミラル「まだ帰ってきてないけど・・・?」 カイン「ファラスにも手伝ってもらいたかったが、仕方ねぇ。 ミラル、この事をセラにも伝えて、一緒に探してくれ。」 ミラル「うん、判ったわ!」 カイン「おっしゃ!行くぞ、ウラン!ラルドを探しにな!」 ウラン「OK!」 2人は、ラルドを探す為に走り出した。 第23話へ続く |


