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| 作者:J・ラコタ ―とあるビルの屋上― ???1「ヘヘヘ・・・、ナイスポジションだぜ・・・。」 男は、チェロ用の大きなバックを持っていたが、その中から出したのは、弦楽器ではなかった・・・。 なんと、暗視ゴーグルに、スナイパースコープ。それに、サイレンサー付きの狙撃用ライフル。・・・ということは、スナイパーだ。 すぐさま狙撃ライフルにスナイパースコープと三脚を付け、設置した。 スナイパーの男は暗視ゴーグルをかける。 そして、ホテルの一室に狙いを定め、引き金を引こうとした。 が、スナイパーの頭に銃口が突きつけられたため、スナイパーは手を上げた。 ???2「動くな。」 スナイパー(=???1)「ちっ・・・、だ、誰だ!?」 と、スナイパーは後ろを向いた。 そこに立っていたのは、迷彩のバンダナに水色の髪の少年。 ・・・そう、ラザロだ。 スナイパーに突きつけているのは、いつも使っているサブマシンガンだった。 すぐさま、スナイパーを抑える。 スナイパー「く・・・、テメェ、子供のクセに・・・。」 ラザロ(=???2)「悪いけど、これは俺の仕事だから。」 と、ラザロは近くにいた警備員にスナイパーを引き渡した。 ラザロ「(・・・これで4人目だなぁ・・・。この仕事、バイトとか言いながら、銃を扱う仕事だったなんてね。)」 ―2週間前― ラザロ「議員の護衛!?それがバイト!?」 ミラル「そう。だって、ラザロ君って、警察の精鋭特殊部隊出身でしょ?(しかも、フランスの。)」 ラザロ「な、何でそんなことを・・・?」 ミラル「私の能力で読み取ったのよ。」 ラザロ「え?」 ミラル「言って無いから、驚くのも無理ないわね。みんなが全員特殊な力を持っているってこと。」 ラザロ「ファラスやラルドとかならともかく、他は知らなかった・・・。・・・って、僕の能力もまさか知っている?」 ミラル「当然よ。でも・・・、ラザロ君の能力は高速移動だけじゃないと思うの。」 ラザロ「そ、それって、どんな能力!?」 ミラル「うーん・・・、ハッキリとはわからない。ただそう感じるだけ。」 ラザロ「そうですかぁ・・・。」 ミラル「・・・それに。」 ラザロ「それに・・・?」 ミラル「・・・リリスちゃんにこのことは話さないほうがいいと思うの。 あの子、心配性でしょ?」 ラザロ「確かに・・・。でも、このバイトで死んだらどうしよう・・・?」 ミラル「・・・大丈夫。ちゃんと帰ってこられるよ。」 ラザロ「何故そう分かるんですか?」 ミラル「まぁ・・・、女の勘ね。」 ラザロ「(・・・と言ってきたものの、本当に大丈夫かな? リリスにも一言も言わずに出てきてしまったし、置手紙もなし。・・・大丈夫かな?)」 ラザロは逮捕されたスナイパーの背中を見ながらそう思った。 補佐官「あの少年には驚かされる。いくらフランスの精鋭特殊部隊出身とは言えど、武器も使わずに暗殺者を3人逮捕するなんてなぁ。」 警備主任「あぁ。だが、今日の朝刊を見てみろよ。」 と、大統領警備の主任は補佐官に新聞を差し出す。 それは「ユーロネット新聞」という新聞だった。 この新聞は、ヨーロッパ。特にEU加盟国、加盟申請中の国内に配られているが、アメリカの空港でも配られている。 内容的には、ヨーロッパ州内の出来事や事件などであるが、番組表だけは配られる国によって違う。 その「ユーロネット新聞」に補佐官が目を通すと、ある新聞記事が目に付いた。 補佐官「な・・・、「エイジュート・グレヴィーニッチ次大統領暗殺未遂者が刑務所内で死亡」!?」 警備主任「警察は「毒殺」だと言っている。それに、奥歯が4人とも1本ずつ割れていたそうだ。 そこからタランチュラ並みの猛毒が入った液体が体中に回ったらしい。」 補佐官「あぁ・・・、なんてこった。何故こんなに情報が漏れているんだ・・・?」 警備主任「わからんよ。ラザロ。ラザロ・ヴァン=ベルデーン?」 ラザロ「はい?」 ラザロが彼ら2人の目の前に出てきた。 警備主任「この新聞見てみろよ。」 と警備主任は補佐官から新聞を掠め取って、ラザロに渡す。 ラザロ「そ、ウ、ウソ!?」 補佐官「ウソどころか、本当の話だ。何故か暗殺未遂の情報が漏れている。」 警備主任「まぁ、暗殺者が自殺したのは君の責任じゃないさ。とりあえず、エイジュートのとこn」 補佐官「ちょっと、ちょっと。「大統領」だろ?」 警備主任「・・・大統領のところに行って来い。」 ―コンコンッ、 エイジュート「あぁ、入れ。」 ―ガチャッ ラザロ「失礼します。」 エイジュート「ヴァンベルデーンか。昨日は良くやった。」 ラザロ「あの・・・、」 エイジュート「あぁ。何だ?」 ラザロ「・・・何でもありません。」 エイジュート「何か用があるから、ここへ来たんだろ?」 ラザロ「いいえ、主任が・・・、」 エイジュート「「挨拶に」か?・・・まぁ、いい。」 ラザロ「・・・黒幕は?これ以上暗殺者が増えたら、手が付けられません。」 エイジュート「それが・・・、」 ラザロ「当てましょうか?「容疑者に該当する人物が多すぎる。しかも、全員政治的な敵ばかり。」」 エイジュート「あぁ、その通りだ。明日は大統領就任式だが、その時も頼む。」 ラザロ「わかりました。」 と、ラザロは部屋から出て行った。 その夜、ミラルの家では、その事がリリスにばれていた。 リリス「何で!?何故隠していたんですか!?」 ミラル「いや、だって・・・、」 リリス「「だって」も「抱っこ」もないですよっ!!」 セラはテレビのチャンネルを適当に回した。すると、ある物を見つけた。 セラ「ねぇ、これを。」 と、セラはそれをミラルとリリスに見せる。 ニュース『・・・明日の大統領就任式に向けて、着々とこの公園で準備が進む中、新聞などでも暗殺者がさらに現れる可能性があるとの話です。 グレヴィーニッチ大統領の経歴からすると、1979年生まれの彼は、2010年に31歳の時に議員に就任した直後から、その当時の周辺諸国への対応に対して反発していました。 2013年には辞任に追い込まれました。その当時の映像がコレです。』 若き日のエイジュート『そんなに多種族が目障りっていうなら、地球から出てって、火星でも、月にでも移っちまえ! それが無理なら、「多種族国内一掃」ってギャーギャー騒ぐな。このままで良いと思ったら、大間違いだ。また戦争が起きる。いいや、これから戦争を起こそうとしているんだ!』 と、エイジュートを警備員が取り押さえる。 若き日のエイジュート『こ、コラ、何をするんだ!やめろっ!!』 ニュース『この直後に彼は議員からの辞任を迫られ、国会から締め出しを食らうこととなります。しかし、これが生中継だったために、』 リリス「これが何なの?」 ミラル「・・・もし、彼がいなかったら、私とカインが・・・、仲良くなることなんて無かったかもしれない。」 ミラルの顔が少し赤い。 リリス「でも、ラザロと何にも関係ないじゃない!」 セラ「議員の護衛って、もしかして、このことじゃないかな?って、思ったんですが・・・。・・・ほら、いた。」 と、テレビに映っていたのは、確かに、グレヴィーニッチ大統領と、その脇にいるラザロだった。 リリス「あぁっ、ラザロだわ!行かなくちゃ。」 リリスはあっという間に着替えて、家を飛び出して行った。 ミラル「リリスッ!」 ミラルは後を追おうとしたが、唖然として、リリスの跡を追うことが出来なかった。 セラ「すぐに追いかけないと・・・、」 その時、突然ミラルの頭の中に、イメージが一瞬で浮かんで消える。 ミラル「・・・待って。」 セラ「どうしたんですか?」 ミラル「・・・心配はなさそうね。」 セラ「え、どうして・・・?」 ミラル「何故か分からないけど・・・、本当に大丈夫だって気がするの。・・・未来予知ね。多分。」 セラ「多分?」 ミラル「(・・・とは言っても、少し心配ね。でも、あのビジョンは未来の事だった。・・・私って、予知能力なんてあったかしら?)」 プラノズ「・・・リリスめ。動き出したか。」 ユーリィ「プラノズ。後は任せて。」 プラノズ「・・・分かった。頼むぞ。」 ユーリィはその場からテレポートで消えた。 警備主任「さて・・・、あと12時間を切った。」 ラザロ「あの・・・、俺は何をすれば?」 警備主任「はぁ?何言っているんだ!大統領の部屋の前の護衛に決まっているだろ?」 青年「主任、それだけでは恐らく不十分ですよ?」 警備主任「リライ、どういうことだ?」 リライ(=青年)「相手がもしも、RCSを持っていたら?」 ラザロ「何ですか?」 リライ「リモートコントロールスナイパーの略だ。またの名を「自動狙撃装置」。 ビルの屋上などには警備が待機していますが、もしも、天井とかにあったら?」 警備主任「なるほど・・・、・・・マズイ、エイジュートが!」 と、警備主任、ラザロ、リライは大統領の部屋に入る。 エイジュート「どうした、トラチ?」 トラチ(=警備主任)「すぐにここから出てください。今すぐです!」 エイジュート「何だと?」 と、リライは天井を見た。 エイジュートが席を立った瞬間、 リライ「危ないっ!」 と、リライはエイジュートを押し倒した。 そして、銃声が響いた。 トラチ「・・・リライ!」 ラザロ「リライさん!!」 リライの胸には銃弾が打ち込まれ、血が出ていた。 ・・・重症だ。 エイジュート「・・・!」 結局、リライは担架に乗せられて運ばれた。 エイジュート「全く・・・、何故屋根裏なんかにRCSが?」 トラチ「分かりません。1時間前にここを金属探知機で組まなく探しました。」 ラザロ「でも、確かなことが見つかりました。」 エイジュート「・・・何?」 ラザロ「犯人は恐らく、ここの関係者だと思われます。もし屋根裏にRCSを仕掛けるとしたら、ここの関係者でないと無理だと思います。」 トラチ「なるほど。」 エイジュート「それならば・・・、隠しカメラを見てみよう。」 トラチ「隠しカメラだと?」 エイジュート「監視カメラだけでは頼りないと考えた。ここには何人もの関係者が出入りしている。リライに、ファーラン、シュノー。それに君らもだ。 ざっと挙げても10人はこの部屋に出入りしていた。 そこから犯人を搾り出すのも簡単かもしれないが、さっさと片付けないといけない。」 ラザロ「・・・隠しカメラのモニターは?」 エイジュート「コレだな。時間は20時12分~22時33分まで。3倍速再生。」 と、モニターにその時刻の映像が写る。 トラチ「ちょうど、この時に金属探知機で天井床下を調べていた。」 ラザロ「まだ犯人らしい人物はいませんね。」 エイジュート「まだまだだ。」 と、エイジュートは先に進める。 トラチ「待った。・・・コレ誰だろう?」 エイジュート「スロー再生にする。」 映像のスピードが極端に遅くなった。 そして、3人はモニターに顔をしかめて近づいてよーく見てみると・・・、 エイジュート「・・・コレを見ろよ。」 トラチ「・・・コイツは・・・、マジかよ・・・!?」 ラザロ「犯人は補佐官です!」 逮捕、連行されていく補佐官。 エイジュート「まさか、お前だとは思わなかったよ。」 補佐官「違う、私じゃない。私は何も知らないぞ!!」 と補佐官は連行されながら叫んだ。 エイジュート「・・・よくやった。君を雇ってやはり正解だった。」 ラザロ「・・・どういうことですか?」 エイジュート「セルビア国内出身の警察官は、信用できない人物がいる。」 ラザロ「でも・・・、それなら、トラチ・ハラスト警部は?」 エイジュート「彼は私の幼なじみで、今回の大統領選の護衛を頼んだんだ。 だが、大統領選が始まった途端に、暗殺者が動き出した。 トラチの部下が爆弾で巻き添えを食い、数人が死亡。私が大統領に就任しない限りは、警備員の数は限られている。それに、未だに国粋主義者を支持する警備員も少なくない。 買収されかねないからだ。」 ラザロ「・・・なるほど。」 エイジュート「・・・明日が最後だ。頼むぞ。」 ラザロ「分かりました。」 ―翌日― 司会「これより、大統領就任演説を始めます。 紹介します。エイジュート・ジューロ・グレヴィーニッチ大統領です!」 拍手が上がる。その観客の中に、リリスが紛れていた。 ラザロはすぐに気付いた。だが、同時にあることに気が付く。 何か光っている物がある。 それはハゲ親父の頭でもなく、鏡でもなく・・・、銃身だった。 ラザロはすぐさま演説台から抜け出した。 が、その事に気付いたのか、黒いコートを着て、銃を持っている人物はその観衆の中からさっさと抜け出した。 ラザロがその人物を追っていることにリリスも気が付いた。 リリス「(何?どうしたんだろう、ラザロ?)」 リリスはラザロの後を追う。 ラザロ「待てー!」 ???「フフフ、」 謎の人物は7階建ての建物の中へと入る。 そして、屋上に上がった。もう逃げ場は無い。 ラザロ「諦めろ!もう逃げ道は無いぞ!!」 ???「フフフ・・・、あなたが例の連れね。」 ラザロ「連れ?」 と、謎の人物は衝撃波を放ち、ラザロを数m吹き飛ばす。 ラザロ「な・・・、何だと・・・!?」 謎の人物が黒いベールを脱ぎ捨てた。 その人物は・・・、 ユーリィ「私の名前はユーリィ・ベルリア。あなたの連れを探しているの。」 ラザロ「その連れとは誰だ!?」 ユーリィ「とぼけても無駄。」 ラザロ「チッ・・・、」 ラザロはサブマシンガンを取り出して構えようとする。だが・・・、 ユーリィ「遅い!」 ユーリィはあっという間に、目にも留まらない速さでラザロに接近攻撃を叩きこむ。 ラザロ「ぐぁっ!」 ユーリィ「それだけ?」 ラザロ「く・・・、まだまだーっ!!」 と、ラザロは高速移動で、サブマシンガンを撃ちまくる。 しかし、全て避けられ、再び接近攻撃の膝蹴りを受けてしまう。 ラザロ「あぁっ!」 ユーリィ「ふん。もう少し楽しませてくれると思ったけど。これで、終わりよ!」 リリス「待ってユーリィ!」 ラザロ「リリス、来ちゃ・・・、ダメだ・・・、」 ユーリィ「やっとお目当てが来たわね。」 リリス「あなたの目的は私でしょ!?ラザロは関係ないわ!!」 ユーリィ「・・・確かにね。でも、今のリリスじゃぁ、全然、楽しめないわよ!!!」 ユーリィは超音波と衝撃波を同時に繰り出す。 リリス「あぁぁぁっ!」 ラザロ「(あ、頭が痛いし、体中も痛い・・・、今にも吹き飛ばされそうで、持ちこたえるのが精一杯だ・・・。もうダメなのか・・・!?)」 ユーリィ「ハハハッ。・・・チェックメイトよ。」 ユーリィは複数の真空波を飛ばした。 だが、その複数の真空波は合体し、大きな1つの真空波のカッターになった。 ラザロ「リリス・・・、」 リリス「ラザロ・・・、ゴメン・・・、こうなることを分かっていたのに・・・、」 ラザロ「・・・もういいんだ・・・。ゴメン・・・、」 あと2秒で真空波が彼らの体を真っ二つになりかねない。 ユーリィが勝利を確信した時だった。 ラザロとリリスがもうダメだ。と悟った。 その時だった。 突然、2人の体が光り始めた。 ユーリィ「な、何!?」 と、いつの間にか、真空波は分裂し、跳ね返ってきた。 それを見切って、ユーリィはほとんどの真空波を避けたが、2、3つ体をかすめて、傷を作った。 ユーリィ「きゃぁっ!」 ―スパンッ だが、最後の1つが、彼女の右手を引き裂いた。 大きなケガどころか、腕がゴッソリとなくなっていたのだ。 ユーリィ「く・・・、今日はここまでにしてあげる・・・。でも・・・、次に会ったときは必ず・・・。」 ユーリィはテレポートで逃げ、ラザロとリリスは気絶していた。 ミラルたちが2人を見つけたのは、それから20分後のことだった。 大統領演説の後、補佐官を何度も尋問し、最後には3回も嘘発見器にかけられたが、結局、結果は白だった上、自白剤まで使った。 実際に、補佐官にはその時のアリバイがあり、それもちゃんと監視カメラに写っていた上、画像などに改ざんの形跡は無かった。 結局、補佐官は無罪だった。 では、暗殺の真の黒幕は誰なのか・・・? まぁ、それは置いといて、みんなが気になる大統領警備の報酬は900ユーロ(日本円で11万9千円)だった。 ただし、これは一度きりなので注意。 その後ラザロは、お怒り状態のリリスから顔を1回叩かれたらしい。 そして、翌日、ラザロの頬には赤く手形が残っていたという。 第25話へ続く。 ※この話はフィクションです。実際の、国名、団体、都市などには関係ありません。 |


