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第3話 レジスタンスベース
「・・・・・・・・・ッハ!こ、ここは!?」
ゼロは、飛びあがるようにして起きあがった。
≪やっと目が覚めたか・・・。≫
「ゼクト・・・か。それよりここはどこなんだ?」
ゼロは、辺りを見回していた。
そこへ・・・
「ここは私達のベース、『レジスタンスベース』よ。」
と、シエルが歩きながら、ゼロに近付きそう言った。
「でも今は、私の部屋にいるんだけどね・・・。」
「そうか・・・だが何故俺はここにいるんだ?」
≪馬鹿だなぁ~覚えてねぇのかよ~。≫
―また馬鹿って・・・。―
「あなたは、ここへ来てすぐに倒れこんだの・・・凄いダメージを受けていたから、セルヴォに頼んで、あなたを治してくれたのよ。」
≪そ!で、この三日間ぶっつけで寝てたってわけだ・・・。≫
―そうか、俺はあの時・・・。―
そう思いながら、右手を頭のほうにあてた。
「・・・!お、俺のメットはっ!?」
ようやく自分のヘルメットがないことに気付く。
≪ははは!!つくづく馬鹿なヤツだぜ!≫
「何だと?」
≪じょ、冗談だよ!ったく冗談のきかないヤツだなぁ。≫
ゼクトが、慌ててそう訂正する。
「あなたのメットは、今修理中よ。セルヴォが、念の為にって言って、昨日から、診てもらってるの・・・。」
少し笑顔な顔で、シエルはそう言った。
そして何かを思い出すかのように、ポンッと手をたたいた。
「そうだわ、改めましてようこそゼロ。」
「!?」
「あなたが来てから三日も経ってるから、言うのが遅くなっちゃった。」
「・・・・・・。」
ゼロが無言なため、少し間を置く。
「ここは・・・『イレギュラー』の疑いをかけられたレプリロイド達が生き延びるために戦う最後の砦・・・。少しでも生き延びようと、私達は必死で戦ってきた・・・。でも・・・それも、もう限界。私達は、あなたの伝説を信じ、あなたに望みをかけ、あなたを探したの・・・。」
―そうか・・・だから、追われていたのか・・・。―
ゼロはそう思った。
シエルは話を進める。
「あなたは、ゼロ。百年前の世界で、エックスと共に世界を救った伝説のレプリロイド。」
ゼロは、ハッとなり、こう言った。
「エックス・・・?聞いた事がある名前だ・・・。」
何も覚えてはいないのだが、妙にその名前だけは聞き覚えがあった。
「エックス・・・。伝説の英雄は今も生きてるわ・・・。そして・・・私達を処分しようとしている・・・。」
「エックスが、オマエ達を処分する・・・だと?」
驚きを隠せないような言い方で、そう言った。
どうやら、信じられないようだ。
「ええ。あなたが三日間眠っている間にも、多くのレプリロイド達が処分されていたの・・・。」
「・・・・・・。」
「あなたの力を借りたいの・・・。私達の未来は、あなたにかかってる・・・。助けて・・・くれるよね・・・?」
シエルは少し必死になって、そう言った。
「・・・・・・。」
ゼロは、無言だった。
何故無言だったかは解らないが・・・。
「・・・やっぱり、ムリ・・・よね?こんな所に連れてこられて、突然『助けろ』だなんて・・・気がはやすぎだわ・・・。」
シエルがそう言うと、ゼロはベットから降りてこう言った。
「誰が無理だと言ったんだ?」
「え!?」
「俺も助けられたんだ、助けないわけにはいかないさ・・・。」
「じゃ、助けてくれるのね!」
「あぁ・・・。」
「あ、ありがとう!」
シエルは、ゼロに飛びついた。幼い子供のように・・・。
ゼロのほうは、シエルがいきなり飛びついてきたため、後ろのベットのほうに倒れこんでしまった。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・!!!!」
「・・・・・・!!!!」
二人は見合わせ、勢いよく離れた。
二人の顔が少し赤くなっていた。
「ご、ごめんなさい!そんなつもりはなかったんだけど、つい嬉しくて・・・。」
「・・・べ、別に気にしてはいない・・・それより、これから俺はどうすればいいんだ?」
少し焦りつつ、ゼロはシエルに尋ねた。
「・・・まだ、いいの・・・。」
「・・・?」
「あなたはまだ完全じゃないし、メットもまだ検査し終わってないから・・・。」
「だが・・・――」
「いいの・・・ここにいて・・・ここにいて欲しいの・・・。」
シエルは、後ろを向いたままそう言った。
「シエル・・・。」
ゼロは、少し心配そうな顔をしていた。
「・・・当たり前だろ・・・。」
「・・・え?」
「こんな格好じゃ、外に出るのも恥ずかしいからな・・・。」
ゼロの顔が、少し赤くなった。
顔に表せまいとしているのだが、やはりその表情はどうしても出てしまうのだろう。
≪へぇ~、黙って見てりゃ、可愛い所を見せてくれるんだな、ゼロって!≫
ゼクトがそう言い出したので、少し赤かったのが、さっきよりも赤くなっていた。
それを見て、ゼクトはさらにゼロをからかう。まるで仲のいい兄弟のようだ。
シエルは、クスクスと笑っていた。
ゼロは、それ以上に顔が赤くなってしまった。
ゼクトがまたからかおうとした。
だが・・・
「いいかげんにしろ!!」
シエルの部屋に、ゼロの怒鳴り声が響き渡った。
固まる二人組み。驚きすぎて、声も出なかったようだ・・・。
ゼロは、ハッとなり・・・
「・・・すまん、つい・・・。」
「い、いいのよ・・・私達が悪かったんだし・・・。」
≪『達』!?≫
「当たり前でしょ。主犯はゼクト君なのよ。」
≪・・・ハ~イ、そうで~す・・・。ゴメンな、ゼロ・・・。≫
「・・・あ、あぁ・・・。」
少し間を置いて・・・
「メットの修理が終わるまで、ベースを散歩してくる・・・。」
≪あ、まって!オレも行く!≫
ゼロの後に、ゼクトがついて行った。
ゼロとゼクトは、いろいろとまわっていた。
まずはこんな人・・・。
「あなたがゼロ様ですね!遅くなりましたが・・・シエル様を助けて頂き、まことに有り難うございました!」
≪オレのおかげだぜ!≫
「オマエは何もしてないだろ・・・!」
ゼロに、ツッコミを入れられた。
次はこんな人・・・。
「ん?見かけない顔だな・・・。それより頼みがあるんだ・・・。エネルゲン水晶を分けてくれないか?250ECでいいんだよ・・・。くれるかい?」
「・・・・・・それはできないな・・・。」
「ふ~ん、キミって案外クールだね・・・。いやなら別にいいんだけど・・・。」
≪何も持ってないからこういうこと言うんだぜ!≫
「余計な事を言うな!」
ゼロに、デコピンされた。
そしてこんなこも・・・。
「あなたが、シエルお姉ちゃんを助けてくれたの?私の名前は、アルエット。シエルお姉ちゃんが付けてくれたんだぁ・・・。」
「そうか・・・いい名前だな・・・。」
「ありがとう・・・あなたの名前は?」
「俺は――」
≪コイツはゼロ!でもってオレがサイバーエルフのゼクトだ!≫
「勝手に仕切るな・・・!」
再び、ツッコミを入れられた。
「面白いね、二人とも!ゼロって名前なのね・・・。じゃ、これから、『ゼロ兄ちゃん』って呼んでいい?」
「あぁ。」
「わーい!」
≪オレはオレは!?≫
アルエットは少し考えて・・・。
「ん~・・・ゼッくん!」
≪・・・ま、まぁいいかな・・・。≫
「納得いかないのか?」
≪別に~≫
―別にじゃないだろ・・・。―
そして、シエルの言っていた、「セルヴォ」と言うレプリロイドの部屋に行った。
部屋に入ってみると、そこにはゼロのメットを修理しているセルヴォの姿がそこにあった。
ゼロのメットを難しそうに眺めている。
≪あ、あの~、アンタがセルヴォさんですか~?≫
ゼクトが話しかけた。
セルヴォが気付いて、ゼロ達のほうを向く。
「そうだが・・・。」
≪まだメットは・・・。≫
「って、なんでゼクトが言ってるんだ?」
≪ゼロの変わりに言ってあげただけじゃないか!≫
「『ゼロ』?」
セルヴォがそう言い、ハッとなりこう言った。
「君が、あのゼロなのかい?」
ゼロはコクリと頷いた。
「いやぁ、生きているうちに本物が見れるなんて感激だよ!」
「それはいいから・・・メットのほうを・・・。」
「あ、そうだったね・・・ゴメンゴメン。君のメットはまだ直りきっていない。なんせ、百年前のものだからね~ちょっと苦戦しているんだ・・・。」
「・・・そうか・・・。」
「でも、絶対に直せると言う保証があるから、あまり落ち込まなくてもいいぞ!」
「・・・その・・・あとどのくらいで・・・直るんだ?」
ゼロは、セルヴォに尋ねてみた。
「遅くて一日半、早くても一日ぐらいはかかる・・・。」
「・・・・・・。」
「スマンなぁ・・・すぐにでも直してあげたいんだが・・・。」
「・・・いや、別に俺は・・・。」
≪『別に俺はいいが、シエルが・・・』とでも言いたいのか?≫
「そ、そんなんじゃい・・・。」
ゼロの顔がまた赤くなった。
≪そうか。そう言う事にしておいてやるよ!≫
「・・・・・・。」
―俺はただ・・・。―
「・・・他に用はないのかな?」
「・・・あぁ。ただ、メットの事が気になっただけだからな・・・。」
ゼロは、少しきつい口調でそう言った。
「・・・そうか・・・そうだ、君の何かのメモリーさえあれば、新しい武器も造ってあげられるぞ・・・。」
「・・・・・・。」
「だから、そのようなメモリーを見つけたら、私のところまで持ってきてくれ。」
「・・・あぁ。」
コクリと頷きながらそう言った。
「ゼクト・・・何をしている・・・行くぞ・・・。」
≪あっ!ちょっと待てよゼロ~。≫
ゼロとセルヴォが会話をしているときに、どうやら部屋の中をうろついていたようだ。
ゼクトは、すぐにゼロを追った。
そして、セルヴォの部屋から出て行った。
ここは、シエルの部屋。
ゼロとゼクトはシエルの部屋に戻ってきたようだ。
≪オレさぁ、思ったんだけどよ~。≫
「何だ?」
≪ゼロの髪って、案外長いもんだなぁ~って・・・。≫
「オマエも長いだろ・・・・・・って何触ってんだ?」
ゼクトは、縛っていないゼロの髪を弄(いじ)繰り回した。
ゼロはかなり嫌そうである。
「触るのやめろ・・・。」
≪いいじゃんか!ゼロの髪、なんか気持ちいいんだもん!≫
「・・・殺すぞ、お前・・・。」
≪お~こわ!≫
そんなやり取りに割り込んだのが、シエルだった。
「ゼクト君。そんなに気になるの、ゼロの髪?」
≪気になるって言うか・・・何て言うか・・・気持ちいいから・・・さわ・・・。≫
「・・・だから触るな!!」
「そう・・・じゃ、私が縛ってあげるわ。」
「・・・え!?」
ゼロの顔が、微かに赤くなった。
「『え!?』って何?もしかして不安?」
「いや・・・別に・・・そうじゃなくて・・・。」
「じゃ、縛ってあげる。」
シエルは、自分の机の引き出しから、赤いゴムと櫛(くし)を取り出した。
そして、ゼロの後ろへ行き、まずは髪を梳(と)かした。そして、左手である程度髪を掴んで、髪を束ねながらまた梳かしていった。そして、綺麗に束ねたところで、先ほどの赤いゴムで髪を縛っていった。少し、髪の長さに苦戦していたが・・・。
「はい、これで終わり!」
「・・・・・・。」
シエルにやってもらってたことで、先ほどからずっと顔が赤かった。そして今も少し赤い・・・。
「似合うわよ、ゼロ。」
「ホ、ホントか?」
「えぇ・・・。」
≪ヒューヒュー☆お熱いねぇお二人さん!≫
ゼクトにそんな事を言われたので・・・
「そんな事ないわよ・・・!」「そんな事ないだろうが・・・!」
シエルとゼロは、同時に言ってしまった。
再び顔が赤くなる。
≪やっぱり、顔が赤いゼロってなんだか可愛いなぁ~。≫
「・・・うるさい奴だな・・・少しは黙ってろ!」
≪ケッ、何だよ、誉めてやってんのにさぁ~。≫
「それのどこが誉めてると言うんだ・・・完璧からかっているようにしか聞こえないぞ・・・。」
≪あぁそうですか・・・。≫
「何だ、そのいいぐされは!」
≪別に~。≫
―また出た、ゼクトの『別に~』。―
「まぁまぁ二人とも、ケンカしてても何も始まらないわよ?」
そう言われた二人は、口ゲンカをやめた。
メットが直るまで、後もう一日ぐらい・・・。
メットが直ればこんな言葉の交し合いは、だんだんなくなっていくのだろう・・・。
そう、この戦いが終わるまでは・・・。
第4話へ続く・・・
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