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第6話 ロストデータ回収


えっと・・・
ゼロが「ありがとう」という場面がありますが、私が「ゼロ3」を買う前でしたのであーだこーだ言われても困ります。
なので、そのあたりを踏まえて読んでいただけると助かります。



第6話 ロストデータ回収

 ここはまた、シエルの部屋。
 そこには、人間と同じように腹に包帯を巻きつけ、ベッドで寝ているゼロの姿がそこにあった。またもやゼロのメットが外されている。もちろん髪の毛は縛られたままである。
 ゼロは幾度か首を動かし、そっと目を開け再びあのときと同じようにガバッと起きた。少し痛そうに腹を押さえる。
 チラッと横を見てみると、ゼクトが横ですやすやと眠っていた。よく見ると、ゼクトの目に少し涙が浮かんでいる。

―俺が目覚めないから…コイツは…―

 ゼロはそう思っていた。

≪ぅぅん…≫

 ゼクトが、寝返りを打った。
 そして、ゆっくりと目を開けゼロを見つめた。そして…

≪ゼ、ゼロ!!目が覚めたのか!?よかった…オレ…またゼロが起きなかったらどうしようって…思って…≫

 ゼクトはゼロにくっつき嬉し涙を流した。

「すまない、ゼクト…もっと早く起きてやるべきだったな…」

 ゼクトは首を横に振った。

≪そんな事ないよ!こんな大傷で、早く起きるってのが無理なんだ…≫
「でも、早く起きてくれと泣きながら願ったんだろ?」
≪ば、馬鹿言うなよ!!オレが泣くだって!?んなことあるか!≫

 ゼクトは、涙を拭いながらそう答えた。

「じゃ、さっきの涙は何だったんだ?」
≪………≫

―素直じゃないんだな…コイツ…―

 そんなやり取りをしていると、この部屋にいなかったシエルが帰って来た。
 シエルはゼロを見て、嬉しさのあまり飛びついてきた。
 抱きつかれたゼロは、いっっった――――――!! と、つい叫んでしまった。
 どうやら腹にあたったようだ。
 即座に離れるシエル。

「ご、ごめんなさい、私…」
「い、いいんだ…気にするな…」

 腹をさすりながらゼロはそう言った。
 ゼクトは、おもいっきり気にしてるじゃん… と言う顔をしていた。

「そ、それより次に俺にして欲しい事はなんだ?」
「まだいいのよ、ゆっくりしてれば…」
「そういうわけにもいかない…傷はまだ完治してはいないが、このまま倒れっぱなしだと仕事が勤まらんからな…」

 そういって、ゼロはベットの横にあった小さな棚の上にあるメットをかぶった。

「ごめんなさい、ゼロ…」
「どうして謝るんだ?」
「だって…ゼロを目覚めさせたのは私だし…」
「俺が必要だったからだろ?」
「…えぇ」
「だったら、遠慮するな…俺が全部引き受けてやるから…」
「本当に?」
「あぁ…」
「じゃ、お願いするわ…」

 そう言い、少し間を空けた。
 そして、話しを始めた。

「最初にあなたと出会ったあの場所を覚えてる?あのときは、慌てて逃げてきたけど、もしかしたら、あそこにあなたにとって重要な情報が残ってるかもしれない。おそらく敵もあそこを調べてようとしているはず…敵に情報を奪われるまえに行ってくれないかしら…」

 ゼロはコクリと頷いて、ゼクトを連れて外へと向かった。




『敵の反応多数!敵もデータを捜し来たみたい。ゼロ…気を付けて…』

 とシエルから忠告を受けた。
 ゼロは、あの時下へ落ちた位置まで行った。そして上を見上げる。

―あの時は登れそうにもないといったが…今なら登れるな…―

 ゼロはそう思い、壁に片足をかけ、そこを軸にして勢いをつけて飛ぶ。それを何回か続けると、上にレイブレイドと言う細長い光線を左右に伸ばして回転する球体がそこにいた。ゼロは、Z-SABER(ゼットセイバー)に、サンダーチップを指しこみ、力をため、片手でそれを斬りつけた。だが、そいつは何度もやっても破壊できなかった。諦めて、回転を避けながら上に登った。もちろんゼクトもそれを避けながら上に飛んで行った。
 上に登って行くと、今度はフロッパーという浮遊爆弾が左右に動いていた。とりあえず、ゼロは、バスターショットで破壊した。そのとき、爆風に巻き込まれゼロは壁のところから落ちそうになった。体勢を整え向う側へ移る。
 こんどは、目の前にまたレイブレイドがいた。登りきったこの場所にはレイブレイドが七体配置されていて、「ライフエネルギー」と言うゼロの体力を回復させるアイテムが落ちていないのだ。だから慎重に避けなくてはならなかった。とりあえず、一個目を余裕でかわし、二個目は電気の刃が水平になったたらすっと抜ける。二個目のすぐ前の三個目は段差があるので、その段差のギリギリで待機して刃が垂直になったときに抜ける。
 するとまた目の前にフロッパーがいた。少し離れてからバスターショットで撃つ。
 すると今度はクラッシュローラーと言う、トゲつきの大きなローラーを地面に叩きつけて攻撃してくる壊し屋メカニロイドがそこにいた。そいつはローラーを振り上げたときが攻撃チャンスで、ゼロは、またZ-SABERをチャージしそいつに叩きつけ動きを止め何度も斬りつけ破壊した。
 ゼロは、レイブレイド四個目にとりかかる。刃が水平になったときに少し手前から勢いをつけてジャンプをし、少し進んで五個目は刃のギリギリに立って、水平になったときにすばやく抜ける。六個目は刃の回転に合わせてDASH JAMP ! すぐ七個目が見える。七個目は刃が水平になったときにDASHし、水平なったときにジャンプをして、目の前の段差を登った。

≪すげぇな、ゼロ!ここまであの変な奴の攻撃(?)、全然あたんなかったな!さすがだぜ!≫
「…………別に…」
≪なんだよもっと嬉しそうにしろよ!こうさぁ「そう思うだろ?」とか「やっぱり俺は凄い!」とか言ってみろよ!≫
「俺はそんな主義じゃない…」
≪ハイハイ、そうでしたね…期待したオレが馬鹿だったよ…≫
「そんな事より早く行くぞ」
≪へ~い≫

 そんな事を話しながら先へ進むゼロとゼクト。ここまで避けるのに集中しすぎて会話もなかったからであろう。

 次に来たのは、どうやら敵が見当たらないところだった。素通りして行こうかと思いきや、ゼロは何かに気付き、上の方を斬りつけた。危ねぇよ!とゼクトに言われるが全く気にしない様子。敵がいたから仕方ないだろうとゼクトにそう告げる。
 ゼロの言う敵というのは、シールキャノンと言って壁や天井を移動しながら、弾を撃ってくる砲台である。少し進んだ所にもそいつはいたが、弾の連射能力は低いので、弾をかわしてから倒しにかかった。とりあえず、思い出した「回転斬り」で倒す。クラッシュローラーもフロッパーもいたが、先ほどのやり方で倒していった。

 進んでいくと、扉のようなところでゼロは足を止める。

『その先、凄いエネルギー反応よ!気を付けて!』

 と、シエルから報告が来た。
 ゼロは、そっと扉に近付いた。扉は開き中へ入っていく。

 と、そこにはゼロよりも数倍は大きいと見られるゾウ型のレプリロイドがいた。そのレプリロイドは振り向き、ゼロは、少し睨みつけた。
 と、そのレプリロイドが突然話し始めた。

「麻呂の名はマハ・ガネシャリフ。情報処理分析担当ミュートスレプリロイドなり。お主の情報はすでに麻呂の体内サーバへ、しかと記録されたでおじゃる」
≪何だって!?≫

 すかさずゼクトは答える。

≪だったらそのメモリーを返せよ!テメェらが持つべきものじゃねぇんだよ!≫

 いかにも、ゼロの変わりのようにゼクトはガネシャリフ(マハ・ガネシャリフの事)に怒鳴りつけた。

「返せと言われて簡単に返すわけにはいかないでおじゃる。このメモリーさえあれば、あの御方も喜ぶでおじゃる」
≪テンメェ~!!≫

 ガネシャリフはメモリーを見せ付けながら挑発するように言った。ゼクトは顔の前で拳を強く握り締め、怒りを見せつける。
 それを見ていたゼロは、バスターショットを持ちメモリーに向かってエネルギー段を一発撃った。見事に直撃。だがメモリーは、かろうじで残った。
 ゼクトはそれを見て、

≪馬鹿野郎!!何やってんだよ!!直撃しても少しは残ったものの、全部消えて無くなったらどうするつもりだったんだよ!!≫

 と言って、ゼロに向かって怒鳴りつけた。

「考えもつかなかったな…でも少しは残って良かった…」
≪良かったじゃねぇよ!!馬鹿!!≫

 ゼクトはゼロの頭をポカリと殴る。
 そんな漫才のようなやり取りを、呆然と見ているガネシャリフ。
 そして、こんな事を言う。

「お主達はアホか?」

 そんな事を言われ、二人はガネシャリフをキッと睨み、

「≪んなわけないだろ!!≫」

 同時に言った。

「まぁ、いいでおじゃる。壊れかけているが、本人を連れてくればいい事でおじゃる。そのほう早いでおじゃる……!」

 そう言って、手足頭を身体に引っ込ませ、ゼロに向かって勢いよく転がり出した。ゼロは上手く攻撃をかわした。ゼクトは少しゼロから離れる。ガネシャリフは壁にぶつかりそのままゼロの向かって跳ね返ってきた。ゼロは避けようと必死になって避けようとしたのだが、逃げ遅れてそのままガネシャリフの下敷きとなった。避ける事に成功したゼクトは、すぐにゼロの元へ。

≪ゼロ!!ゼロ!!…コンノ野郎~!!その足をどけろ!!≫

 ゼクトは、反抗した。だが、

「身体が小さいオマエに何が出来るでおじゃるか!?いるだけ邪魔でおじゃる!!」

 ガネシャリフはそう言って、ゼクトを叩き飛ばした。
 ゼクトは壁にぶつかり、そのままずり落ちた。

「ゼ、ゼクト……うぅ…ぐぁぁ…」

 ゼロに、かなりの体重がかかってきていた。そしてゼロはそのまま気を失った。
 ガネシャリフは、ゼロが動かない事を確認し、足をどけ、ゼロをかついだ。
 ゼクトは、ムクッと起きあがり力なく飛びあがる。

―くそ…オレはゼロに何もしてやれないのかよ…そんなの…そんなの絶対に嫌だ!!オレは…オレは…ゼロのパートナーなんだぞ!!―

 そう思った瞬間、ゼクトの身体が光りだしゼクトはそのままがネシャりフの後頭部目掛けて突進した。見事に命中した。ガネシャリフは一度止まり、ゼロをスルリと落とした。そして、

「…ギャ――――――――――!!」

 と、叫び声を発しガネシャリフは暴走した。勢いよく転がり壁にぶつかり…を何回か繰り返していた。すると、何かのスイッチを押したらしく警報が鳴った。

『自爆装置が作動したわ!早く脱出して!』

 と、シエルの声がゼロのインカムから聞こえてきた。

―畜生!!やばいぜ!!だけど、今のオレならゼロを助けられる!!―

 そう思い、ゼロの近くへ行き、そして、さらに身体を光らせゼクトとゼロは瞬間移動をした。そしてその時瓦礫が崩れて行き、その場所は二度と行けなくなってしまった。




 一番最初にいた所から強い光が溢れだしゼクトとゼロが現れた。

『ゼロ!?ゼロ!?』

 ゼロのインカムからシエルの声がきこえる。

「う、うぅん…」

 その声で、ゼロは目を覚ました。だが起きあがれなかった。起きあがろうとすると痛みがはしるからである。もちろん、腹の傷も…。

『よかった…どうやら無事みたいね…お腹の傷のほうはどう?』
「どうって…この状態を見れば解かるだろ…今じゃ傷が悪化してるみたいで全く動けん…」
『そう…ごめんなさい…』
「……」

 ゼロは、そう言えばと思い、寝転んだまま首を動かしゼクトを探した。
 ゼクトは、ゼロの傍で気を失っていた。

「…!ゼクト…!」

 ゼロは、痛みを忘れたかのように起きあがりゼクトを拾い上げた。

「おい、ゼクト!どうしたんだ!?目を開けろ!!」
≪…ぅ…ゼ、ゼロ?…起きてて…大丈夫なのか……?≫
「俺もほうはどうでもいいんだ!それより、オマエはどうしたんだ!?こんなにボロボロになって…」
≪ゼロを…助ける…為に…オレが…ここまで…連れてきた…≫
「オマエが…俺を助けるために…!?」

 ゼクトは、ゆっくりと頷いた。

「馬鹿野郎!!そんなの俺は頼んでいない!!」

 ゼロは、ゼクトに怒鳴りつけた。ゼロの目に涙が浮かぶ…。人間に近い造りをされているせいか、ゼロも人間のように『泣く』事ができるのである。つまりは、『心』があるという事…。

「そんな事のために…自分の力を使うな…!」
≪で…でも、ゼロ…≫
「黙れ!!」

 ゼクトは、ゼロに言葉をさえぎられた。ゼロの目にたまった涙が溢れ流れ出す。

「ばかやろう…ばかやろう…」

 そう呟き、涙を流しつづける。その涙がゼクトに滴り落ちる。

 その時だった。
 ゼクトが光りだし、身体を回復させた。傷は跡形もなくきれいさっぱりなくなっている。

≪あ、あれ?オレ、どうしちまったんだ?さっきまで死にそうだったのに…≫

 ゼロは、その元気な姿のゼクトを見て、

「ゼクト…大丈夫なのか?」

 と、心配そうに尋ねた。

≪あぁ!!このとおりピンピンしてるぜ!何でかしらねぇけどよ…≫

 ゼロは、嬉しさのあまり、小さなゼクトを抱きしめた。涙はまだ、流れている。つまりは嬉し涙だ。

≪お、おい、何だよ!?きついって!!≫
「よかった…本当によかった…」
≪苦しいって!!≫
「あ、す、すまん…つい…」

 ゼロはぜクトをはなし、そしてこう言った。

「さっきはあんな事言って…ゴメンな…」
≪いいよ…別に気にしてねぇし…≫
「それと…」
≪ん?≫
ありがとう…
≪え?何だって?≫
「…ありがとうって言っているんだ…!それぐらい分かるだろ…」

 ゼロは、顔を赤くしてそう言った。

≪わかんねぇよ…ばか…!≫

 そして、ゼクトは笑顔でそう言った。
 ゼロはクスッとしたが、傷の事を思い出したみたいで腹を押さえた。

 そのあと、なんとか立ちあがりトランスサーバでベースに帰り、また倒れこむのであった…。


第7話へ続く・・・

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