駄目人間は箱の中

駄目人間は箱の中

十年経っても

船橋から人混みを抜け
街道沿いを軽く走った
水面には老人の舟
京葉道路が遠く見えた

十年前ならこんな風景も楽しく終われたのに
今は「さよなら」が言えない

出会いも別れも突然すぎて
うまく次へ渡れない
失くした夢はもう戻らないけど
君だけは守りたい
僕の前からいなくならないで

競馬場を指さしながら
駅前に続く通りに出る
JRに乗ればもうすぐ
君の住む町が近くなる

スーツに埋もれ君が階段に消えてく
扉の前で僕はしばらくうつむく

時代の流れはスピード上げて
昨日さえ古くなる
選んだつもりの未来図だって
いつ変わるかわからない
僕の前からいなくならないで

十年経ってもきっと「さよなら」に慣れない
触れ合ってもどこか冷たさを感じる

出会いも別れも突然すぎて
うまく次へ渡れない
失くした夢はもう戻らないけど
君だけは守りたい
気まぐれで誰かを試さないで
憎むより痛いから
君の前から僕を消さないで


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