放浪の達人ブログ

南国の植物

   【南国の植物】

日本熱帯植物の会だったか熱帯果樹の会だかの会員である知人のヒロシ氏は、
自宅の2階の2部屋+ベランダで足の踏み場もないほどの熱帯植物を育てている。
パパイヤ、マンゴー、ドリアン、バナナなど多くの植物を育てるために
夏の間の扇風機は自分に向けずに植物達の換気のために使っているし、
冬は加温器を鉢の下に置いたりして植物の防寒対策をしているそうだ。
スーパーでマンゴスチンやパパイヤの果物を買うのも彼の楽しみだが
果物を買う際も熱処理してない物を選別して30分ほど吟味して買うらしい。
スーパーの店員側から見れば非常に怪しい人物と思われているであろう。
また、ガーデニングセンターや植物園に行くのがヒロシ氏の休日の過ごし方だ。

さて、俺はそのヒロシ氏からバナナとプルメリアの木を貰って我が家で育てている。
夏のうちは外で育てていたが秋になって自宅の2階のベランダに移動させた。
やがて初冬となった頃、今度はその植木鉢を2階の室内に取り込んだ。
重い鉢を持ち上げた際に腰に激痛が走り1週間ほどは息をするにも痛みが走ったが、
そんな格好悪いことは恥ずかしくて言えないのでここでは秘密にしておく。

我が家の2階の4部屋のうち、このバナナとプルメリアは南東の部屋に置いてあり
ぬくぬくと冬の日差しを浴びて幸せそうに育っている。
それに対して俺のネット販売のための在庫部屋兼パソコン部屋は北西の部屋である。
日が当たらず随分と冷えるので、俺は冬の夜は室内でもダウンジャケットを着ている。
つまり言ってみれば生活待遇はバナナ以下ということになる。(泣)

そしていよいよ本格的な冬がやってきた。寒さは熱帯植物の敵である。
その対策としてバナナ部屋にはプチプチのカーテン、鉢にもプチプチを巻き
完全防備で防寒対策に挑んでいる。バナナ、早くできないかなあ。

プルメリアの方はどんな花なのかピンと来ない人も多いと思うが、
ハワイの首飾りレイを想像してみてくれ。あの花がプルメリアだ。
バリ島の空港に到着すると甘くて良い匂いがするが、それがプルメリアの匂いだ。
また俺の大好きなタイのアユタヤ村の遺跡に行くと大きなプルメリアの木があり、
いかにも南の国って感じの匂いを辺りに漂わせている。
小さな安宿に泊まっても大抵は中庭にプルメリアの木がある。
いつか我が家であの花が咲いたらどんなに素晴らしいだろう。

これらの木を育てていたらだんだん熱帯果樹に感化されてきて
パイナップルも2階の部屋に仲間入りした。
スーパーで数百円で買ったパイナップルの葉部分だけを切り取り、
そのまま土の上に植える「クラウン挿し」という育て方だ。

俺もいつか熱帯植物にどんどんハマっていき、色んな植物を育てるかもしれない。
そして近所のピアゴの果物コーナーで目を皿のようにして果物の状態を吟味し、
ヒロシ氏のようにマンゴスチンを1万円分まとめ買いして全部の種を植えるとか、
「熱帯植物の越冬にはグルコサミン入りの土でリンの配分を多めに」とか言って
植物の鉢が部屋から溢れてベランダにも達し、自分はソファで丸まって寝るとかして
家族からも妙な目で見られていつの間にか「家族崩壊」になるのかも知れない。
いや待てよ。その前に2階の床が重さで抜け落ちて「家屋崩壊」になる方が近いか。


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