「弁経」 インプレス



広辞苑をひもとくと,

 [後漢書 楊修伝] 鶏のあばらぼねは食うほどの肉はないが、、少しは肉があるので、捨てるには忍びない意から、大して役に立たないが捨てるに惜しいもの。

 と、あります。

 これには以下に述べる故事があるわけですが、この意から自らの随筆集を「鶏肋」と題する読書人もおみえです。

 曹操は漢中で蜀軍と対陣して苦戦に陥った。

長期にわたって軍を駐屯させ、冬が近づいてきているというのに、守りが堅くて侵攻できない。

 撤退しようとしても、蜀軍に笑われるのが口惜しい。日々、寒さは増してくる。

 思案をめぐらす曹操の下に、部下の一人が夜の合言葉を聞きにきた。

 曹操は思わず、「鶏肋だ、鶏肋だ」とつぶやいた。

 この言葉が伝令によって次々と各部隊に伝えられていった。


 行軍主簿の楊脩は「鶏肋」と聞いて、すぐに随行の部下に荷物をまとめて引き上げの準備を命じた。

楊修の上官は、命令なしに引き上げの準備をする訳を問いただします。

 楊修の説明を聞いた上官も陣を引き払い始めます。

 楊修は後に曹操に殺されます。

 裏切りの恐れがあったからかと、これまで漠然と思いこんでいました。

 「弁経」を読むと、楊修はたいした人物ではない。小物の際たるものだとの意味のことが書かれています。

 冷や汗が出ます。自分のことを指摘されている心地がします。

 自分の立場を考えずに、上司の心中を指摘するようでは小物だそうです。

 今まで命があっただけ良かったのかも。

 この本の紹介をしますと、あまり楽しい本ではありません。

 思いがけない知見の連続で、はらはらしながら読み進んでしまうという箇所は少ないです。

 作者は根性が捻じ曲がっていると、思われる文章が多々、見受けられます。

 叙述も平易というか平板というか、文章も惹きつけるものがない。

 歴史書を読み込んできた方の中には、大金(2480円)を投じて損したと思う人もいるであろうことは想像に難くありません。

 しからば私がなぜこの本を購ったかといえば、こういう見方もあるのだなという勉強に資する部分もあると思ったからです。

 著者 「冷 成金」というペンネームもふざけた名であります。

 中国史に縁遠い人にはエントリー書の一部とされるのもよいでしょうが、繰り返しになりますが、薄汚いところがあります。

 志がないといいましょうか、人間の醜いところばかり連ねてある感がします。

楊家は楊震を筆頭に名家中の名家、名門中の名門で会ったことが、後漢書列

伝に記されています。別に稿をたててみようと思っています。

 御用とお急ぎでない方はまたのぞいて見て下さい。



© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: