*** 涼と朱右とワンな生活 ***

++ 涼との出会い ++



     ++ 涼との出会い ++ 



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   私は当時、父親の会社の官舎で暮らしてました。
  官舎の決まりとして“犬・猫・鶏”の飼育は禁止されていたので、
  ずーっと!犬や猫を飼うことは「ダメだ!」と言われていました。
  しかし柴犬が大好きで、犬が欲しかった私は飼えない事は重々承知でしたが、
  夕刊の“ペット差し上げます”の欄に柴犬の仔犬が載っていないか
  毎日チャックしていました。

   そんなある日、犬を飼う夢を見ました。
  (どんな仔犬だったかははっきりとは覚えてはいなかったのですが)
  そしてその日の夕刊をいつものようにチェックしたところ、
  なんと『柴犬の仔犬差し上げます』と載っていたのです!
  何か縁を感じてしまった私は、彼と一緒に仔犬を見に行きました。
  が、そこに居たのは柴犬ではなく、mixの仔犬でした。

   8匹くらい生まれたようなのですが、残っていたのが
  真っ白い仔犬とこげ茶で耳の大きなコでした。
  飼い主のおじさんは「白い仔犬の方が毛色が綺麗」だと、
  私達に勧めてくれたのですが、犬を飼うのならば茶色の女の子と
  決めていたので、私はこげ茶の子を見ていました。
  しかし、夕刊を見た時点で柴の仔犬だと信じて見学に行った私は、
  想像していた仔犬と現実に居たコとのギャップが大きく、
  その時は見学のみで帰宅してしました。

   が!耳の大きくて、こげ茶の仔犬が頭から離れなくなりました。
  ずーーーーーーーっつと!考えた挙句、
  夢に出てきたのはあのコなのかは解らないけれども、
  運命を感じてしまった私はあの子を譲り受ける決意をしました。

   小さく、耳の大きなこげ茶の仔犬。
  その子が涼(りょう)です。




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