*** 涼と朱右とワンな生活 ***

++ 朱右が来た日 ++

  ++ 朱右が来た日 ++




baby

 朱右を迎えに行ったのは午後の休憩の時でした。
本当は、仕事が終わってから迎えに行く予定だったのですが、
その日は運良く?店長がお休みの日だったので、
店の皆が朱右の事を見たいというのもあって、
仕事が終わるまでは店で待たせておく事にしたのでした。
その時朱右は、目に付きやすいレジのカウンターの中で
籠の中に入って大人しく(ほぼ寝てた;)していてくれたので助かりました。

 店からの帰宅時はショップで入れてくれた箱には入れずに、
自分の上着の中に抱き入れ、中から顔だけを出す状態で抱いて帰りました。
その時も暴れる事無く大人しくしていたのですが、
もう少しで家に着くという所でくしゃみをしました。
と、同時に、冷たいものが首に・・・吐いてました;
くしゃみしながら吐きました;
どうやら、酔ったらしいです・・・;

 家に着いたらまず、涼が異変に気がつきました。
「まぁあた、誰か連れてきたの!?」
それが、涼と朱右との初顔合わせでもありました。

 遅番で帰ってきたのもあり、疲れているだろうと先に、
朱右を寝室に寝床を作って寝かせてあげました。
しかし、小さい子が1人で大丈夫かと気になり様子を見に行くと
「うぅ~~~~~~~~~っ」と唸り声が聞こえてきました。
正直、ビックリしてしまいました。
こんなにも小さい子が警戒して唸るなんて。

 朝早くに飛行機で到着し、ショップで展示販売され、
落ち着く暇も無く私の元にやってきたのですから、
色々と警戒するのもしょうがないかな?という気持ちと、
こんなにも小さい子が懸命に自分を奮い立たせている事が切なくも
思いました。

 そして、朱右を安心させる為にやさしく頭をなでながら
「ここが新しいおうちだからね。大丈夫だよ」とかなんとか、
そんなような言葉をかけてあげた覚えがあります。
すると、朱右は安心したのか寝てしまいました。
気持ちが通じたのか、その後は唸る事はありませんでした。





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