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私
:GDPの発表を受けて 消費税
を上げるか、延ばすかの議論が盛んになってきたね。
賛成・反対ともそれぞれ十分言い分があるね。
この 経済成長
と 財政再建
の ジレンマ
は先進国共通に抱えた難問だね。
結局、安倍晋三首相の決断に委ねられることになりそうだが。
A氏
:その難問を ドイツ
は解決したのではないの?
私
: 1996年
頃から、ドイツの経済成長率は低下し、 2005
年には 0.9%。
当時のユーロ圏の平均 1.6%
より低く、当時のギリシャは 3.7%
だね。
ドイツ政府の財政状態
も 火の車
だった。
1990年代
は、ドイツは「 ドイツ病
」にかかっていた。
改革の足枷となった 社会保障制度
。
これを解決したのが 1998年
に首相に就任した アゲハルト・シュレッダー
氏だね。
高い失業率を下げるため、企業が雇用を増すようにと、 社会保険料の負担を大幅に減らす政策
を実行した。
ドイツ
では、日本と同じように、企業が 社会保険料の半分
を負担している。
彼は、「 アジェンダ2010
」というプロジェクトで、 2003年
から 2005年
にかけて失業者に対する 給付金の大幅削減
(生活保護と同じ水準に引き下げ)、 公的保険料の自己負担の導入
、 公的年金の実質的な削減
を次々に実行に移したという。
A氏 : 社会保険料の負担軽減 は人件費を減らすことで、 企業の国際競争力を高める という考えだね。
私
:失業保険料が多いと、人々は働く意欲を失うという。
そして年金や健康保険の自己負担を増やさないと 社会保険制度そのものが崩壊
するという主張だね。
これは 貧困層や労働組合
から、 強い批判
があったが、もともと 社会民主党と緑の党の連立政権
だったので強行可能だったという。
保守政権だけでは 労働組合の猛反対
で不可能だっただろうという。
A氏 :日本の民主党も消費税を避けていたら、政権はもったかもしれないね。
私: シュレッダー
氏の狙いは見事に的中し、 2010年
以降になって 社会保障費削減効果
が表われ始め、ドイツ経済だけがユーロ圏で浮上した。
ドイツの輸出の好調はユーロ安だけではない。
ドイツ
はもの作りが健在で、 輸出の 85%
は 機械製品
だという。
日本の家電のように企業が 値下げ競争 を辞さず、人件費を削りながら 不採算商品の大量生産 をなかなかやめないという不合理な行動をとってきたのとは大きく違うね。
だから、ドイツも 生産年齢人口は減少 しているが デフレ はない。
A氏 :ところで、 シュレッダー政権 は、 2005年 で終わっていて、 その年の選挙 で勝利していないね。
私
:ドイツ庶民は、彼の 社会補償費削減
にノーをつきつけているね。
しかし、後から シュレッダー
氏の功績が認められた形だね。
さて、安倍首相は日本のシュレッダーとなるか。 責任は重いね。