眼科検診が終わり、病室で待機。
でもまだこの時は、事の大きさをわかってない。
荷物も整理し、着替えて、呑気にテレビを観ながら先生が来るのを待った。
そこに看護師長さんがやってきた。
私の仕事がダンス、ということはその階の看護師さんはみんな知っていたようで、
廊下ですれ違う時なんかも、「私HIPHOP習いたいんですよ~」なんて話し掛けてもらってた。
看護師長さんが、「仕事はどうするの?」と聞いてきたから、「さっそく明日からレッスンがあるんです」と答えた。
看護師長さん、「えっ?」って一瞬絶句。
その後、「まだやるの?」って言った。
「はい」と答えると、「そう・・・」って言って、笑顔で「もうすぐ先生来るからね」と、病室を出て行った。
担当の先生が病室に来た。
結局、その時にハッキリした病名は告げられず、
「とっても疑わしい病気があるんだけど、現時点で確定できない。
筋生検って方法もあるけど、メスを使うことだから負担もかかるしなるべくやりたくないんだけど。」
これ以上レッスンに穴開けたくないし、またそれで入院だのなんだのってなるなら、やりたくない。
先生にそう伝えると、ちょっと困った顔してた。
退院後も、もうちょっと通院して様子見よう、って。
なんとなく、普通じゃないものを感じて、思い切って聞いてみた。
「私の今の症状は、例えば頑張ってリハビリとかすれば、よくなるんですか?」
先生、ちょっと黙りこくったあと、「・・・・ない。」
「悪化することはあっても、よくなることは、ない。」
頭ん中、どうなってたかよく覚えてないんだけど、とにかく冷静になろうと思った。
「そうですか・・・」って答えて、あとはよく覚えてない。
ただただ、暗くて思い空気が流れてた。