りゅうちゃんミストラル

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2004.10.05
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カテゴリ: 政治


うつむいたままの2人に、「この歌の、せめて歌詞だけでも読めば、なぜ君らの反省の弁が人の心を打たないか分かるだろう」と訴えた。

この事件について

これは2002年に行われた裁判の一幕だ。
事件は2001年4月に起こった。犯人は19歳の少年2人。

東急田園都市線の車内で川崎市宮前区の銀行員(43)と「足が当たった」などと口論。
三軒茶屋駅のホームで、2人がかりで殴り、5月4日にくも膜下出血で死亡させた。(サンケイスポーツから)

裁判官には閉廷前に自分の考えを述べる時間がある。
もちろん義務ではないので何も言わなくても構わない。
この発言は公式記録にも残らない。

この発言で有名になった裁判官は山室恵氏。
東京高裁判事の少女買春事件では、
「言葉が悪いが、単なるロリコンかスケべおやじではないか」
「君のやったことは司法の歴史でとんでもないことだと分かっていますか。
こういう罪で裁判官を裁くとは思わなかった」と発言して有名になった。

東京高裁判事の少女買春事件

リクルート事件江副浩正、傷害罪に問われた元プロレスラー前田日明、
オウム真理教林郁夫の事件も山室氏の担当だった。
批判もあったが「東京地裁のエース」という声すらあった。

最近になって山室氏は昇進を伝えられた。もし昇進したら現場にはいられない。
実際の裁判には関われなくなってしまう。
「刑事事件の現場第一」をモットーにしていた彼は、判事から東大の大学院教授に転進した。
今後は弁護士としての活動もするだろう。
退任は今年6月のことだ。私は今年になって新聞でそのことを知った。

日本の裁判制度は硬直化している。
例えば刑事事件なら一審はほとんどが有罪だ。
その確率は100パーセントに近いという話もある。
つまりは「裁判官は検察官の言いなり」という批判にもなる。
「有罪にはできないかもしれないが、起訴して事件として取り上げる必要がある」
という勇気ある判断が検察には必要だ。
これは未確認の話だが、ある本によると「どうせ検察官の言うままに裁判は進む」という「安心感」からか、
裁判中に居眠りをする判事までいるという。

山室氏は司法修習生(司法試験に受かって研修中の人)が裁判中に居眠りをしていたらこの修習生に、「何をやっているのか分かっているのか!」 と叱り、法廷から追い出したそうだ。
山室氏には居眠りが我慢ならなかったのだろう。

裁判官自身のこともある。
いくつかの本を読む限りでは、裁判官は多忙で孤独、そして当たり前ではあるが緊張を強いられる。
赤提灯で飲むことさえ許されていないという。
ある裁判官は宅調(自宅で仕事をすること)の日に、
日頃からの息の詰まる生活に嫌気が差してパチンコに行き、居酒屋で酒を飲んだそうだ。
ただ、酒を飲んでいても「このことが上司に知れたら」と考えると怖くなってしまうのだという。
山室氏自身退官してから酒を飲むことが増えたそうだ。
こうした中で「一般人の気持ちがわかる裁判官」が誕生するかどうか非常に疑わしい。
小さいころから「温室育ち」で勉強ばかりしていた人が、
強盗犯や殺人者に向かうのはいかにも危険なことだ。

こうした裁判の硬直化は政治的問題だ。
「裁判の迅速な進行」が困難になったのは司法試験が「受験者を落とすための試験」
であるために人手不足になったことから起きたことだ。

山室裁判長はそうしたなかでも「地裁の裁判長」に拘った。
この選択をどう評価するかは人によって違うだろう。
裁判での判断については賛否両論ある。
そして彼を有名にしたいくつかの発言はスタンドプレーだという批判もある。

山室判事についての批判

ただひとつ言えるのは、「東京地裁から名物裁判長が去った」ということだ。
今までお疲れ様でした。

追記 

もし東京駅近くにいて時間があったら、裁判を傍聴するといい。
何しろドラマとは違ってすべてが「本物」の世界だ。
無料で本物を見られる。
ただし山室裁判長がいなくなっても裁判中に居眠りをしたら注意される。
裁判所は居眠りをする場所ではないからだ。

裁判傍聴の手引き 裁判傍聴同好会

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最終更新日  2004.10.05 17:08:06


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