もがき苦しむこと




【もがき苦しむこと】



 約半日、泣き叫んだ日があった。
近所迷惑も考えずに、ただ、泣き叫んだ。
私は何なのか、存在意義が欲しくて、私の価値を肯定したかった。
誰かに肯定して欲しかった。


 役立たず。
 病気、気持ち悪がられる。
 心が痛い。
 私が消えれば、すべて上手くいく。
 私が生きてちゃイケナイ。
 私が生きてたらマイナス。
 私はイラナイ。
 使えない奴。
 消えたい。
 悲しい。
 もう限界。



包丁をまな板に突き立てて、力いっぱい、まな板がボロボロになるまで、
手が上がらなくなるまで、力が入らなくなるまで、
そのまま理性が飛びそうになるまで、
ガンガン音を立てて、
すべてに向けた怒りを、行き場のない怒りを、まな板にぶつけた。

泣き叫びながら、ずっと。

悲鳴にも似た叫び声で。声がかすれても、叫ばずにはいられなかった。


力が抜けて、その場に崩れ落ちたとき、スゥッーとした。

 私、生きてていいんだよね?
 私、生きてていいんでしょ?
 全部、アイツが悪いんだから。
 アイツが死ねばいいことなんだ。
 アイツが死ねばいいんだ。
 はやく死ね。今すぐ死ね。
 なんでアイツ死なないの?
 死ねよ!はやく死ね!


 ぐちゃぐちゃのペースト状になるぐらいナイフで刺されて、
 切り刻まれて死ねばいいのに。


想像した。私の心は少し浮いた。
楽しいと思った。笑えた。
玩具で遊ぼうとする子どものように、ニコニコした。
嬉しい。
その瞬間のアイツの顔、表情、笑える。想像だけど。
幸せ。


そう思えた。

それから、事あるごとに、その光景を思い浮かべた。
すごくスッキリする。
それから、私が泣き叫ぶことはなくなった。


いいストレス発散になったのだと思う。
今でも、想像する。それはお笑い番組を観ているかのようにも思える。
いい意味で、一つの恐怖に打ち勝ったのだと思うことにしている。




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