カルビ家の日常

カルビ家の日常

END


次は、楽しみにしていたお風呂である。

バリ島のガイドブックを見ると、色とりどりの花が浮かんだフラワーバスの写真が数多く出てくる。
日本のフラワーショップで花を買って自宅のお風呂で試したとしたら、一体何千円かかるのだろう。
こんな贅沢なお風呂に入るのが、私の長年の夢であった。
その夢が、今。
叶おうとしてい


…たはずだったのだが。

さ「あれ?…」

チ「これ、葉っぱなの?」

私たちに用意されていたのは、葉っぱを浮かべたリーフバスだった。

蜂蜜とジンジャーの入ったドリンクをセラピストが持ってきてくれた。

チ「これ、おいしいけど~」

さ「お風呂はお花じゃないのね…」

葉っぱのお風呂も雰囲気出てたけど、せっかくバリまで来たんだからフラワーバスに入りたかったな。


* * * * * * * *

スパを終えた私達は、ホテルの入口で写真を撮った。
日が沈み、真っ暗な中でライトアップされた割れ門やホテルのエントランス…
できるかぎりカメラに収めておきたかった。

* * * * * * * *


バリ旅行、最後の夜。

バリ島最後のディナーは、スパ併設の“スパカフェ”(そのまんまじゃん。)に決定。
他の客はいなくて、私達2人だけ。

イタリアン中心のメニューだったような気がする。
私達はペンネを食べた。


カフェの店員に
「いつまでバリにいるの?」
と、聞かれた。

「今夜、帰るの」

寂しげに答えた。


しばらくして、店員が戻ってきた。

白ワインの入ったグラスを2つテーブルに置くと、

「これは、サービス」

と言って、笑った。


最後のディナーは、BGMにENYAが流れていた。


* * * * * * * *


チ「足りる?」

さ「ダ、ダメだ…少し足りない」


いい気分で食事を終え、食事の支払いをしようと伝票を見た。

おおおおお金が足りない…


さっきまでいい気分で食事をしていたのに。


さ「逃げようぜ」

チ「コラコラ・・・」

結局、チエろんがホテル内の両替コーナーへ走って、両替してきてくれた。
ありがとね、チエろん。


・・・・・・・・・・・・・・tabino-owari


帰りの空港で。

行きの機内で一緒だった新婚カップルを見かけた。


チ「また、変な合図されたんですけど…」

さ「マジですか?!」


彼らに幸多かれ。



とっても楽しい旅行だった。
だからその分、チエろんと空港で別れるとき、なんだか寂しかった。



この旅行で撮った写真、約200枚。
ウキウキで現像してみると、どれもこれも同じような風景ばかり。

「色んな角度から撮らなきゃ!」
「もし写っていなかったら困るから、もう1枚!」

と、バカスカ撮りすぎた。


お互いの彼(現在の旦那様)に
「なんで同じ写真ばっかり撮ってんの?!」
と文句を言われたりもした(笑)


同じような風景でも、その瞬間瞬間が大事で。
1枚だって同じ写真はないのだし。
この旅の思い出として少しでも多くのことを憶えておきたいから、この写真は全部大事なもの。

また一緒に行きたいねー。






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