私のお気に入り!昇る朝日、光る川面、泳ぐ鳥     

私のお気に入り!昇る朝日、光る川面、泳ぐ鳥     

「死ぬ瞬間」と死後の生


ある本を読んで、父の死の瞬間を思い出しました。

「死ぬ瞬間」と死後の生
エリザベス キューブラー・ロス (著), その他
価格: ¥800 (税込)中公文庫

という本です。

生きるってなに?死ぬってどういうこと?
の答えを探している人は是非、一読されたらよい すばらしい本です。

父の話です。
その日の朝、父はとても不機嫌でソファに座っていました。
そして、ドサッという音と共に突然倒れました。脳梗塞でした。

ふすま1枚隔てたところで0歳の長男に朝食を食べさせていた私は、
数分後には長女の手を引き長男を背中にくくりつけて救急車の
中にいました。

瞳孔はもう開いていたので、あきらめてください。と言われました。
でも、心臓マッサージは送り続けられていました。
父の心臓はとても丈夫だったので、一命を取り留めました。

病院側より、蘇生した人はとても怒ってものすごい力を出しますので、
縛りますと説明されました。
あんなにぐったりしていた人なのに、とても切なく思いました。

父は、ベットに両手両足を縛りつけられました。
そして、最初に目を開けたときに私を見つけ、
ものすごい形相で全身全霊で怒りをあらわにしました。


私と父との関係は小さい頃より、うまくゆかず、ギクシャクしていました。
それで、そんなにも私のことが嫌いなんだととても悲しく思いました。

父の声は戻りませんでした。
私は集中治療室に3ヶ月間子供を連れて通いました。
途中、父は気管切開をし足がだんだん腐ってきました。
父は生きようとは思っていませんでした。

何かとても、いいたそうでした。
やっと私の手に お か・(あさん) と書いて私が理解した時、ほっとしたようでした。

そして、家に帰りたがりました。
でも、私たちにはどうしてよいかわかりませんでした。
生かされているのがとても、苦痛でいつも顔をしかめていました。

そして、遠方より妹が、兄が、親戚がベッドに眠る父を見舞いに来ました。
そんな姿をさらすのは、誇り高い父はいやだったでしょう

何度か夜中に危篤です。と呼び出されましたが、父はまだ生かされていました。
疲れからか私も、高熱で家で寝ている時に足先から首まで硬直してしまい、
同じ病院に救急車で運ばれ入院してしまいました。
過換気症候群との闘いの始まりでした。

父の生は、いつまで続くのだろうと思いました。
隣の人は植物状態で1年以上たっていて、ある日酸素を止めることを選ばれました。
私は、腐る足を切られる前に亡くなって下さい。と願いました。

子どもを病院に連れてくるのは、
小さな人の体にはよくないと看護婦さんに教えられ、
保育所に入所申し込みをしてやっと入れた、2日目に父はなくなりました。

その日も、私は父の口を洗ったりしてぼんやり父の顔を見ていました。
いつも、とても苦しそうな顔をして口をあけたままだったのに
その時は自分で口を閉めました。
そして、とても穏やかで幸せそうな顔になりました。

この時、ああ亡くなったんだ と感じました。

後ろでは、バイタルの器械が何らかの兆候を示してるはずなのに・・
と思いながら、父の顔を見ていました。

そしたら、バタバタと看護婦さんやお医者さんが来ました。
危篤です。と言われました。

そして、母が来るまでマッサージをして、何時何分亡くなられました。
と言って立ち去られました。


死の瞬間 のこの本を読んで、いろんなことに納得がゆきました。
そして、とても美しい感動的な内容でした。

私は当時はなぜ3人兄弟のそれも一番嫌われた私がこんな目に会うのかと思いました。
とても、辛かったからです。体も、心も、子供のことも、お金の面でも。

でも これで よく分かりました。
私は、父の死の瞬間に立ち会う理由があったのでした。

そして、父もせっかくの心地よいところから引き戻されて、
ベットに縛り付けられチューブに繋がれる理由があったのです。

この本は著者の講演の編集記録ですが、
今度は最初に書かれた終末医療の患者2万人の記録である
「死の瞬間」という本を読もうと思います。

今日の気づき!死ぬことは 生きること


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: