娘がくれた優しい時間 | さえりんの部屋

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2022年06月20日

全ての物事にはいろんな側面から見たら、違う観点に感じられることがあります。例えば昔よく言われたのが、コップに半分水が入っている場合「あと半分しかない」と悲観的に思うのか、「まだ半分もある」と楽観的に思うのかということです。私は本来後ろ向きな性格なので、「あと半分しかない」と無くなった物への執着が強いタイプです。それはもともと持った悲観的で否定的な性格なので、どうしようもないと思っていました。そんな私に追い打ちをかける様なこの状況です。

でも最近は、なかなか難しいことなのですが、物事を楽観的に肯定的に捉えられるような自分になれたらいいなあっと、少しずつ気持ちが変わってきました。
それは奈落のどん底を体験して落ちるところまで落ちたからかもしれませんし、あの日娘と一緒に一度死んでおまけの人生を一歩ずつ歩き始めたからかもしれません。

昨日の父の日も、我が家にとっては辛い思い出しかない日だと思うのか、 さえりんがたくさん幸せな気持ちをくれた優しい日だと思うのかで、その後が代わって来るのではないかと思いました。 まだ私には長年の悲観的な考え方をする癖もあってなかなか肯定的に見ることは難しいのですが、でもそうなれたら少し生きる事がラクになるのではと思います。 それはさえりんが望んでいることでもあるのだと。

最後の父の日が来なかったことで主人は物凄く辛く寂しい思いをずっと抱えています。でも約束を果たせずにあの世へ旅立ってしまったさえりんの気持ちを思ったら、どれほど残念で悔しかったのかと思いました。そう思ったら、今生きている私たちがさえりんの代わりにはなれないけれど、さえりんだったらどうするのかなと思いを馳せて行動していくことがさえりんが喜んでくれる事なのかなと、そんな考えが浮かびました。

昨日の朝、寂しそうに仕事へ向かった主人が、少しでも喜んでくれたらいいなあっと思って、晩ごはんはカツ丼を作ろうと思いました。
そして、次女に「今日は何の日かわかる？？」と聞いてみると、次女は「父の日でしょ。でもプレゼントも何も買っていないよ」と言いました。それで夕方、次女と一緒に、パパが好きなアイスを買いにシャトレーゼに行きました。次女が「ついでにケーキも買おうよ」と提案して、パパが好きそうなケーキとアイスを選んでくれました。主人が帰って来て晩ごはんを食べてから、次女がパパに渡そうと思ったら、冷凍庫のアイスが先に見つかっちゃいました💦　 主人は「買ってきてくれたの？？どうせお金はママが出したんでしょ(^_-)-☆」と次女に図星をつきながらも喜んでくれました。

私たちは決してさえりんの代わりにはなれません。さえりんという優しい娘はこの世にたった一人しかいないから。でも、さえりんだったらこんな時どうするのかなと、いつもさえりんに想いを馳せながら生きていくことなら、できるんだと思いました。そしてこれはきっとさえりんが私たちにくれた優しい時間なのだと思います。

まだまだ決してさえりんがいない生活に慣れたわけでも、哀しみから乗り越えたわけでもありません。でも３年経った今、ほんの少しだけ周りが見えるようになり、おまけの人生の楽しみ方を探しに行きたいという好奇心が湧いてきたからだと思います。 さえりんがいない哀しみを一生抱えたままでも、さえりんの遺志を受け継いで、力強く逞しく仲良く優しい気持ちで生きていけたらと思います。

だってさえりんは、家族の中で今までもこれからも一緒に生きているんだから！！

（さえりん１５歳の時　ナガシマスパーランドpart１）